ベース・ミュージックやハウス目線でダンス・トラックを聴かせてきたケレラも、いまや〈新世代〉と呼ぶのも失礼なぐらいのキャリアを重ねてきた。その間のコラボ経験や社会の変化には疲弊した部分も多いだろうが、そのことが却って表現者としての芯を硬く鍛えたのは間違いないだろう。賞賛を集めた初作『Take Me Apart』以来となる5年ぶりのオリジナル作は引き続きワープからのリリース。制作の布陣はガラッと変わり、LAのアスマラが共同エグゼクティヴ・プロデューサーを担当。主にOCA組とLSDXOXOが楽曲ごとの制作を分け合い、プリミティヴな意匠の深みはジャケのインパクトを裏切らない。エレガントで麗しい歌声がフューチャリスティックなビートと音世界を構築する心地良さといったら!