『FANTASY CLUB』もリリースして自作はひと段落。秋は外仕事に追われております。tofubeatsです。改めてアルバムを作るというのは外仕事とはまるっきり違った独特な気持ちの入れ方みたいなものが重要だし、毎年ガンガンできるものではないな……と思ったりもします。そんなこといいつつまた年末年始くらいから次の作品の準備に入っていくのでしょうが、バッチリ力の入った作品を今回は新譜からご紹介。

 

PUNPEE MODERN TIMES SUMMIT(2017)

「いつアルバム出すんですか?」とせっかちな僕は人に聞いてしまいがちなのですが、そんな宛先の一人だったP氏の新譜、待った甲斐がありました。我々への言い訳のように滑り出すアルバム冒頭では自分の名前も出てきて驚き。ありがとうございます。なんて思いつつ聴き進めていたら、ヒップホップかつ間口の広いアルバム作ってるクセになに自虐で始まってるんだ……!と拳を握りしめる結果に(笑)。CD店のポップに〈板橋のダメ兄貴〉とか書かれがちですが、聴いた後にはそう書けなくなる本年重要作。音圧に頼らないミックスダウンも流石。

 

KELELA Take Me Apart Warp/BEAT(2017)

ソランジュのアルバムでの好演なども経て彼女の最新アルバムはワープから。bounceの記事でも「郊外でR&Bなんかを聴きながら育った」という発言がありましたが、そんな影響をストレートに現代に抽出した先行シングル“LMK”の仕上がりから全体像が楽しみでした。もう少しエレクトロニックに寄った作風だったのが今回はわりと普遍的なメロディ+エッジーなベース・サウンドとバランス感の良さがさらに光る名盤です。あと、ビックリしたんですがあのモッキーもソングライティングで関わっているんですね。キャッチーさにも納得。

 

SUDAN ARCHIVES Sudan Archives Stones Throw(2017)

久々に試聴だけで前情報なしで買いました。とにかく音それぞれに力が入っていて、どの音もバシッと前に出てくるミックスがとても印象的。あとでヴァイオリニストという情報を見てとてもビックリ&ストーンズ・スロウからのリリースというのも納得。シンセ・ベースとヴァイオリンの高低激しい音がクラップと共に絡む“Come Meh Way”のサウンドデザインの感じ、最高!

 


tofubeats(トーフビーツ)
90年生まれ、神戸在住のトラックメイカー。藤井隆やNGT48、平井堅、RIP SLIME、SALUなどを手掛けるほか、自身のアルバム『FANTASY CLUB』(unBORDE)は12月20日にLPリリースを控えています。それに先駆けては、コラボ曲の“THE FLY”を収めた堀込泰行の新作『GOOD VIBRATIONS』も11月に登場します。さらに、音楽を手掛ける「クラシカロイド 2nd season」も10月からスタートしたばかりなのでチェックをお忘れなく。その他の最新情報は〈tofubeats.persona.co/〉にて!