
インストミュージックのカルチャーを育てたい
――最後に〈ギターミュージックの未来〉という少し規模感の大きな話もできればと思っているのですが。
「インストミュージックのカルチャーを育てていくっていうのは、自分がやりたいテーマのひとつとしてあります。日本に限らず、世界でインスト音楽を、ギターインストを聴く人をもっと増やしたい。それは自分の音楽を聴いてくれる人をもっと増やすためでもあります。
そういう意味ではポリフィアは素晴らしいことをしていて、いろんな新しいパイを獲得してるじゃないですか? ティムはヒップホップへのアプローチを率先してやっていて、それはすごく面白いなと思います」
――それで言うと、Ichikaさんは去年出たマシン・ガン・ケリーのアルバムに収録されていた“more than life”にトラヴィス・バーカーとともにプロデュースで参加されていましたね。
「僕がループをいくつか送って、それをトラヴィスが切ったり貼ったりして、ドラムも叩いてもらって、2人で大枠を作った感じです。面白かったのが、僕なりにマシン・ガン・ケリーをイメージして何個かフレーズを作ったんですけど、そっちは選ばれなくて、僕が普通に好きなメロディアスなアルペジオの方が選ばれたんです。まあ、僕に頼んだっていうことはそっちが欲しかったんだなって、後になって思ったんですけど(笑)」

アジアのギターシーンを底上げしていこうぜ
――5月からはIbanez主催のギタークリニックでアジアを回ることが決まっていて、ギター熱の高まりも感じられます。
「それは実際に肌感として感じてます。今だとインドネシアが一番熱くて、インドネシアのギターキッズたちがSNSにどんどん動画を投稿してて、それにはびっくりします」
――国自体が経済的にも成長をしてますもんね。
「インドネシア、フィリピン、タイはこの5年以内に必ず爆発すると思っていて、これは音楽業界に限らず、いろんな業界の人が言ってることですね。当然それに合わせて音楽も底上げされるだろうし、僕が最近よく東南アジアに行ってる理由もそういうことなんですけど、ただまだギターヒーローがいないんですよ。みんなまだアメリカのギターヒーローを見てる。でも今度〈フジロック〉に一緒に出るThe TOYSしかり、東南アジア各国にも素晴らしいギタリストがいるので、みんなでアジアを底上げしていこうぜっていう気持ちがあります」
――それこそイヴェットは中国、ティムも台湾にルーツがあるわけで、一緒に盛り上げられたらすごくいいですよね。
「そう、この3人にはアジアという共通点もあるんです。ティムとは〈自分のルーツに誇りを持ってる〉という話をしたことがあるし、イヴェットとは直接そういう話をしたことがあるわけじゃないけど、きっと同じように思ってるんじゃないかな」

RELEASE INFORMATION

■CD
リリース日:2023年4月21日(金)
品番:PCD-25364
価格:2,750円(税込)
■デジタル
リリース日:2023年4月7日
配信リンク:https://p-vine.lnk.to/hYKkq3GO
TRACKLIST
1. coronal
2. firebird
3. bronco
4. vanquish
5. interlude
6. smolder
7. merlin
8. lovespell
LIVE INFORMATION
covet Japan 2023

2023年9月1日(金)大阪・心斎橋 SOMA
開場/開演:18:00/19:00
前売り:8,000円(税込/オールスタンディング/ドリンク代別)
お問い合わせ(キョードーインフォメーション):0570-200-888
2023年9月2日(土)東京・代官山 SPACE ODD
開場/開演:17:00/18:00
前売り:8,000円(税込/オールスタンディング/ドリンク代別)
お問い合わせ(クリエイティブマン):03-3499-6669
2023年9月4日(月)東京・渋谷 CLUB QUATTRO
開場/開演:18:00/19:00
前売り:8,000円(税込/オールスタンディング/ドリンク代別)
お問い合わせ(クリエイティブマン):03-3499-6669
チケット一般発売日:2023年5月13日(土)〜
協力:P-VINE
企画・制作・招聘:クリエイティブマンプロダクション
※ウェブサイトの注意事項を必ずご確認いただいたうえでチケットをご購入、ご来場ください
※公演の延期、中止以外での払い戻しはいたしません
※未就学児(6歳未満)のご入場はお断りいたします
https://www.creativeman.co.jp/event/covet23/
PROFILE: COVET
すでにソロプレイヤーとして活動を開始していたイヴェット・ヤング(ギター)とデヴィッド・アデミアック(ベース)を中心に結成され、2015年に発表したファーストEP『Currents』でイヴェットの独創的なフィンガー&タッピング奏法とテクニカルかつグルーヴィーなサウンドでチョン、ポリフィアといった同世代のアーティストとともに次世代のテクニカル系バンドとして注目を集める。2018年にはドラムスにフォレスト・ライスを迎えた現体制でファーストアルバム『effloresce』を発表、同年にはポリフィアとの来日ツアーも開催し、日本でも話題となる。2020年6月に発表したセカンドアルバム『technicolor』は、イヴェットによるエモーショナルなギターやテクニカルなグルーヴは健在でありながらも、ディストーションを混えたアグレッシブなリフやヘヴィかつタイトなリズム、そしてイヴェットによるボーカル曲も収録するなど、さらなる進化を遂げたサウンドを展開、国内外のメディアで高い評価を受ける。2022年10月にはリズム隊にブランドン・ダヴ(ベース)、ジェシカ・バルドー(ドラム)の2人を新たなメンバーとして迎えることを発表、新体制でのツアーを敢行している。2023年4月にはニューアルバム『catharsis』のリリースした。
PROFILE: Ichika Nito
イギリスのギター雑誌「Total Guitar」の読者が選ぶ〈史上最高のギタリスト100 選〉で〈現在最高のギタリスト〉として8位にランクイン。YouTubeは現在登録者数は230万人越え、Instagramのフォロワー数はギタリストというカテゴリーにも関わらず80万人以上とワールドワイドな 注目の高さが伺える、今日本で際立っている知っておくべきギタリスト。ソロギタリストとしての活動はもちろん、ブリンク182のドラマーであり、カーダシアン家の長女コートニー・カーダシアンの夫でもあるトラヴィス・バーカーと共作した“more than life”が収録されているマシン・ガン・ケリーのアルバムが、グラミー賞のベストロックアルバムにノミネートされるなど、楽曲提供の面でも世界のトップクラスの層から厚い支持を受けており、Ichikaの研ぎ澄まされた感性とその唯一無二のファンタジックなギタースタイルとトーン、テクニックには、海外から楽曲提供や楽曲参加のラブコールが絶えない。国内では前職ぼくのりりっくのぼうよみ、人気コンポーザーササノマリイらと結成したバンド・Diosや、川谷絵音が属するインストバンド・Ichikoroなどでも活躍中。EX「関ジャム 完全燃SHOW」や NTV「スッキリ」に出演するなど国内外ともに人気を博している。