“展覧会の絵”はムーティがフィラデルフィア管弦楽団と初めて録音を行った記念碑的な音源であり、最初から両者の相性の良さが伺える名演。オケの低力がわかる非常にパワフルな演奏で、後のPhilips盤と比較してテンションの高さも特徴的。“春の祭典”はムーティ唯一の録音で、ここで見せる躍動感と巧みさの見事な融合は、これぞ一流オケと言える完成度の高い演奏だ。この曲の名盤のひとつとして、本来はもっと評価されて然るべき。また、かつての名プレイヤーとオーマンディ後のフィラデルフィア管弦楽団を担っていく名手との競演も聴きどころ。音質向上も著しい。