リッカルド・ムーティが輝かしい才能と情熱を引っさげ、1974年当時32歳にして初めて録音したオペラがこの『アイーダ』。カバリエの絶頂期の美声が堪能できるし、伝説的な'72年スカラ座のミュンヘン引越し公演キャストを揃え、情熱たぎるドミンゴ、濃厚貫禄のコッソット、低声無双のギャウロフ、カプッチッリを配した、書くだけでも判る当代最強の布陣。例えばムーティが繰り出す妥協のない急迫畳み掛けから「勝ちて帰れ」と歓呼しアイーダの名アリアへと移る場面など、今回のSACD化により、滑らかで強烈・鮮烈なソノリティの一切を堪能できるという至福はまさしく筆舌に尽くせない!