声優を目指す人たちが専門学校や養成所で学ぶケースは多いが、昨今では声優養成のカリキュラムを備えた〈大学〉も注目されてきている。そんな大学の中から、洗足学園音楽大学、城西国際大学の2校をピックアップ。在校生のコメントを交えながら、それぞれのカリキュラムや学生生活などを紹介したい。
アニソンも2.5次元舞台も学べる洗足学園音楽大学
洗足学園音楽大学には、〈ピアノコース〉〈声楽コース〉など、いかにも音大らしいコースが多数ある中、〈声優アニメソングコース〉が設置されている。ここではアニメソングの歌唱はもちろん、演技も含めた声優全般のレッスンを受けることができる。たとえば、「高校の時に習っていた歌と並行して声優の勉強もできることが決め手でした」(声優アニメソングコース4年 幸田彩寛さん)、「演技を学べる大学に進みたいと思っていて、音大ならピアノも続けられると思って選びました」(声優アニメソングコース4年 上村桜花さん)など、音楽も演技も学べることが入学の決め手となるケースは多いようだ。
学生は、歌唱、演技、ダンスなど、バリエーション豊かな授業を自由に選択可能。2~4年生の3年間で6つのゼミを選択し、専門を深めることもできる。また音大ならではの〈個人レッスン〉では、声優系、歌唱系、ナレーション系の指導陣から自分のニーズに合わせて担当教員を選ぶこともでき、学年ごとに変更も可能。これは他大学や専門学校などではなかなか見られない、同大学の大きな特徴だろう。
「アニメソングと2.5次元舞台のゼミが楽しいです。2.5次元の舞台は、高校時代の演劇とも違う面が多くて新鮮です」(上村さん)、「充実感が味わえる個人レッスンの時間が好きです」(声優アニメソングコース3年 鹿野まりんさん)など学生からも好評を得ている。
他コースとのコラボで刺激を受ける学内イベント
また〈演劇〉〈ライブ〉〈朗読劇〉〈生アフレコ〉などの成果発表に加え、他コースとのコラボレーションの機会も多数用意。学生たちは学内のライブやイベントに積極的に参加することで、日々貴重な体験を積んでいる。
「3年次に行ったイベント〈Orchestra with Drama〉が最高に楽しかったです。前田ホールという大きな会場で、オーケストラをバックに演じるなんて……五感を刺激されまくる貴重な体験でした。またライブ〈Student Live at Cafeteria MUSE〉には、打楽器コース、音楽・音響デザインコースの人とコラボで参加。普段の授業ではあまり交流のない他コースの人と関わることができて、自分の世界も広がったと思います」(幸田さん)。
「私は〈Student Live at Cafeteria MUSE〉に、同じコースの4人と参加しました。ロック&ポップスコースのバンドの演奏でアニソンライブを開催して盛り上がりました」(上村さん)。
こうしたイベントは学生が自ら企画を立てて行うことも可能で、「自由度が高く、新しいことに挑戦する学生を応援してくれる大学だと思います」(幸田さん)、「出演する側も観る側も、大学にいるだけでたくさんの刺激が受けられます」(鹿野さん) と学生たちの満足度も高いようだ。
創立100周年、新校舎で最新技術を学ぶ
緑あふれる広大なキャンパスに、コンサートホールやレコーディングスタジオなどプロ仕様の本格的な施設を完備。2024年には創立100周年を迎え、記念プロジェクトの一環として映像と音楽の融合をテーマとした〈メディアアーツコース〉と新校舎メディアアーツセンター(MAC)が新設される。さらに最新の映像撮影、映像編集、音響制作の機能を有した新たな学びの場となる予定だ。