長谷川白紙がブレインフィーダーと契約し、ニューシングル“口の花火”をリリースした。

2023年に設立15周年を迎える、フライング・ロータスが主宰するレーベル、ブレインフィーダー(Brainfeeder)。サンダーキャットやルイス・コール、ハイエイタス・カイヨーテといった人気アーティストが所属する、米LAを拠点とするレーベルだが、今回、日本で活動する気鋭のミュージシャンである長谷川白紙が同レーベルと契約した。長谷川白紙は日本人として初の所属アーティストになる。

ブレインフィーダーからのリリース第1弾となるシングル“口の花火”(英題:Mouth Flash (Kuchinohanabi))は、ジェットコースターのようなスピード感あふれる目まぐるしい展開を、長谷川白紙ならではのポップネスで聴かせるノンストップな楽曲。ゲストにLA出身のベーシストであるサム・ウィルクス(ルイス・コールやサム・ゲンデル、ジェイコブ・コリアーらのコラボレーターとして活躍する実力派ミュージシャン)を招き、グルーヴィなサウンドに仕上がっている。

“口の花火”のジャケットは、中国出身のビジュアルアーティストである〈Shanliang〉が手がけている。楽曲の歌詞のイメージからインスピレーションを受けて描き下ろされたアートワークだ。

リリースと同時にミュージックビデオも公開された。MVは、映像企画〈長谷川白紙 Q13〉でもコラボレーションした釣部東京が手がけている。MV内では、長谷川白紙がかねてから注目をしていた韓国を拠点に活動するダンサーのYoon Jiによるダンスや、影山紗和子によるアニメーション、“草木”(2018年)のMVも手がけた現代美術家の海野林太郎によるフッテージ映像など、様々な異なる映像世界が登場。釣部東京によるCGグラフィックや花火をモチーフにしたグラフィックなどと合わさり、躍動感とスケール感あふれる斬新なビデオになっている。

さらに、長谷川白紙のオフィシャルサイトが初めて開設された。これまでTwitterのみで発信されていた長谷川白紙の情報が、サイトでいつでも確認できるようになる。また、サイトでは会員限定の日記なども公開される。

長谷川白紙と釣部東京からのコメントは次のとおり。

【長谷川白紙コメント】
この度、Brainfeederと契約したことをお知らせ致します。そして、「口の花火」という新曲を配信開始致します! とても素敵なMVも同時に公開されます。
わたしがこれから行っていくべきだと感じていることは、わたし自身の身体による音楽の撹乱であり、首尾一貫していないものの、混沌の露呈です。この曲はまさにその皮切りとなるものだと考えています。(身体はつねに歴史にさせられ、分類される力を受けながら、つねに同時に個人による語りや歌や踊りのはざまにも位置しているように思えます。)
それを、活動を通して音楽の混沌を提示し続けてきたBrainfeederというとても重要なレーベルから出せることが本当に光栄です。
是非聴いてみてください…! 頑張りました! よろしくお願いします! パシャー

【MV監督:釣部東京コメント】
楽曲のエネルギーと祭り囃子のようにも聞こえる独特のリズムから、あらゆる文化や要素が合わさった「ニューお祭り」をテーマに演出、制作。
長谷川白紙本人が楽曲から連想しピックアップした断片的なシチュエーションや情景、韓国で活躍するダンサーであるYoon Jiのパワフルなダンスパフォーマンス、影山紗和子の描く愛らしくも癖のあるキャラクターとアニメーション、海野林太郎の現実を鋭く切り取った実写映像、花火をモチーフにしたグラフィックデザインなど、様々な映像を組み合わせ、一見乖離しているような現実と非現実からなる要素達が混ざり合いながら未知の祭りと盛り上がりの様子を描く。

いよいよ本格始動する長谷川白紙の今後から目が離せない。 

 


RELEASE INFORMATION
長谷川白紙 “口の花火”
リリース日:2023年7月25日
配信リンク:https://hakushihasegawa.lnk.to/mflashYo

Written, arranged, vocal & programmed by Hakushi Hasegawa
Bass by Sam Wilkes
Mixed by The Anticipation Illicit Tsuboi at RDS Toritsudai
Mastered by Stuart Hawkes at Metropolis Studios

■歌詞
死腔に何が書いてあるのかわたしまだ読んでないです.
喉が川なら外耳道はいつも古のようね.
暗室, 暗室換気しておはよう, 早く出て, 出てって
嘘.
何かが, いつから縢られたの
わたしたち.
いつも唾液が画素まで秘密の薔薇で.
蜘蛛の硬さが訝しくてわたしは巣を食べるんです.
口の花火があなたたちを露光, がおはようです.
Narcissus, おはよう.
惶根, おはよう.
悪いことしようね一緒に.
暗い鉗子越しに話さないで.
怪談みたいだよ, 粒々舌々, 既にわたし
Echo, おはよう.
面足, おはよう.
ФaФa, Tete, Tete, ФaФa, おはよう.
見て.
照れてないで覚えて,
正視して根の闇を.
わたしの喉の奥に何を住まわせたの
教えて,
ずるい人ね.
焼け付く, 固まるスクリーン, て感じで
猫科の獣が唸るみたく
緊まるわたしの肉が
いのちの神秘みたいで悔しいよ.

 


PROFILE: 長谷川白紙
日本を拠点に活動する音楽家。2017年、フリーデジタルEP『アイフォーン・シックス・プラス』を発表し、2018年、10代の最後にEP『草木萌動』でCDデビュー。翌2019年にファーストアルバム『エアにに』、2020年に弾き語りカバーアルバム『夢の骨が襲いかかる!』をリリース。ポーター・ロビンソン主催のオンラインフェス〈Secret Sky〉やフライング・ロータスによるストリーミング番組〈THE HIT〉に出演するなど、世界でも注目を集める。2023年7月に米LAを拠点とするブレインフィーダーとの契約を発表し、第1弾シングル“口の花火”をリリース。知的好奇心に深く作用するエクスペリメンタルな音楽性ながらポップミュージックの肉感にも直結した衝撃的なサウンドは、新たな時代の幕開けを感じさせるものに。