『ài qíng』に続く新作は、バンドとのライヴ/制作をメインとするここ4年余りの歩みが最良の形で結実を見た、まごうことなきキャリア最高作だ。バンド・メンバーを中心とするミュージシャンとのトラックはかつてなく精緻に研ぎ澄まされ、曲調によらずスリリング。そして自身やお馴染みのSeiho、JJJに加え、UKから制作に起用したオブジェクト・ブルーにtoeのリミックス、さらにはカネコアヤノや長谷川白紙などなどゲストとの絡みも字面以上。とりわけ、岡田利規との活動にFRESINOも大きく触発されたであろうOtagiriを迎えた“Lungs”は、彼の好演と相まって想像の斜め上を行く仕上がりを見せる。特筆すべき面々たちと手を携え、しなやかに辿り着いた、2021年初頭の最重要作。