Mikiki編集部員とTOWER DOORS担当・小峯崇嗣が最近トキめいた邦楽曲をレコメンドする毎週火曜日更新の週刊連載〈Mikikiの歌謡日!〉。連載100回を超え、5人が1曲を厳選し計5曲を掲載してまいります。 *Mikiki編集部

★〈Mikikiの歌謡日!〉記事一覧

 


【田中亮太】

VIDEOTAPEMUSIC「URESHINO × CROSSING」Documentary

まだちゃんと聴けないものを紹介するのはNGかもしれませんが……。企画としてめちゃくちゃ自分の琴線に触れてしまったので、ご容赦ください。VIDEOTAPEMUSICが、佐賀・嬉野の温泉旅館〈旅館大村屋〉と同地のコーヒースタンド&ギャラリー〈おひるね諸島〉による滞在型プロジェクト〈URESHINO × CROSSING〉に招かれて、音楽を制作。約1週間、嬉野に滞在し、現地のリサーチを重ねながら、〈おひるね諸島〉を運営するイラストレーターのdaimon hikari、うつわ作家の椎猫白魚とコラボレーションを行い、嬉野の文脈を含んだ2つの楽曲“嬉野チャチャチャ(feat. mei ehara)”、“ロマンス温泉”を完成させました。

上に掲載した動画は、制作時のショート・ドキュメンタリーですが、嬉野の風景や現地の人々との交流の様子から、これら2曲の素敵な温度感を想像することができます。嬉野に行ってみたく……なんなら移住したくなりさえしますね。2曲は7インチ・シングルとして7月31日(土)に嬉野市先行販売でリリース。一般発売については後日詳細が出るそうですが、旅をする理由として、こんなのもアリなのかもしれません。

 

【酒井優考】

ハチマライザー “まねび”

今世界中がいろいろと大変じゃないですか。そんで毎日誰かが怒ってて毎日誰かと誰かが戦ってて。何が正しいのかもよく分からなくなり。そんな時こそ、みんなを勇気づけるような優れた応援歌でも登場すればいいのに、そんな音楽も出てこないし。はあーあつまんない世の中ですよ。などと思ってたらそんな気持ちをそのまま表現したような曲があったのでご紹介いたします。福岡から、フォークとかはっぴいえんど周辺の雰囲気も感じさせる4人の、ゆる~い、でもズンとくる新曲。

 

【天野龍太郎】

長谷川白紙 “わたしをみて”

日本時間6月11日にTwichで配信されたブレインフィーダーのライブ・ストリーミング〈Flying Lotus Presents The Hit〉(仕事しながら流し見していました)で披露された新曲がついにリリース。すげ~! やばい(特に後半)!! なんじゃこりゃ最高!!! 以上です!! 配信リンクはこちら

 

【鈴木英之介】

The fin. “Old Canvas”

神戸・兵庫出身、現在は英ロンドンを拠点に活動する2人組バンドの新曲。ローリング・ストーンズやプリンス、ベックなど多数のミュージシャンの作品を手掛けてきた、大御所エンジニアのスティーブン・マーカソンがマスタリングを担当しているようだ。山下達郎の“DANCER”(77年)やVIDEOTAPEMUSICの“ilmol (feat. Kim Na Eun) ”(2019年)などを彷彿させるリズム・パターンを基調に、複数のシンセが互いに手を取り合って踊るかのように緊密に絡んでいく様が美しい。そして構造的な美しさと脱力感が同居したトラックに乗る歌は涼やかで、聴いているうちに体温がいい具合に下がっていくような感覚になる。蒸し暑い日々から内にこもった熱を吸い取ってくれる、〈聴く清涼剤〉と言えるかもしれない。

 

【小峯崇嗣】

gato “21”

東京拠点に活動する5人組バンド、gatoがニュー・シングル”21”をリリースしました。ヴォーカルのageのファルセット・ヴォイスと、透明感漂うトロピカルなエレクトロ・ポップ・サウンドが心地よく合わさった清らかな1曲に仕上がっています。今回の楽曲は今までの〈gatoらしさ〉に、大自然を目の前に感じるようなオーガニックな質感をミックスさせており、彼らの新たな一面も見られた楽曲でした。