8月25日(火)にリリースされるNegiccoのニュー・シングル『午前0時のシンパシー』。表題曲は一十三十一が作詞、一十三十一とPARKGOLFが作曲し、これまでのNegicco像をくつがえすアダルトな楽曲になっているほか、沖野俊太郎を作・編曲に迎えた“さかさま”、小田朋美が作詞、CRCK/LCKSが編曲・演奏を担当した“Sneakers!!!”と、3曲それぞれが新境地を見せる〈攻めた〉マキシ・シングルだ。そんな3曲のことからステイホーム期間の活動まで、南波一海がリモート・インタビューで3人に訊く。 *Mikiki編集部

Negicco 『午前0時のシンパシー』 T-Palette(2020)


ステイホーム期間も前向きに

――春からのステイホーム期間中、グループの活動としては動けない状態が続いていました。どんな気持ちで過ごしていたのでしょうか。

Megu「2月からお客さんの前でライブをしてなくて、最初の頃はモチヴェーションを保つのが結構難しかったです。でもやっぱり下ばかり見ていられないので、いまできることはなにかなってみんなで話をして、Negicco的にはやったことなかったインターネットサイン会をやってみたり、配信でライブをしたり。あとはYouTubeでそれぞれ動画企画をやったり」

――色んな動画を出してましたよね。

ステイホーム期間中は、Meguがマスクを作るこの動画のほか、Kaedeのメロンパンやマフィン作り、Nao☆のフラワーアソート作りなど、さまざまな動画をアップした
 

Megu「やったことがないことにチャレンジしました。それでもツアーと〈NEGi FES〉が中止になっちゃったときはまたモチヴェーションが下がっちゃったんですけどね(笑)。でも、新曲を出させてもらえるのが嬉しくて、いまはとにかくたくさんの人に聴いてもらいたいという気持ちです」

――モチヴェーションをどうするかというのは誰もが考えることですよね。

Kaede「当初はこの状況がここまで長く続かないだろうと思っていたので。だからそれぞれ仕事はできないけどプライヴェートではお家でできることをやろうかな、それが(動画の)企画に繋がればよりいいかなという気持ちではいました」

Nao☆「ファンの人の気持ちがいちばん沈んじゃっているのかもしれなくて。ライブ配信の内容が毎回一緒になっちゃうと、なんとなく飽きちゃうと思うので、私たちもそこは自分たちで考えて、なんとか気持ちが下がらないように、みんなで一緒に頑張っているという気持ちでやってました」

Megu「だから気持ちが下がってるとかは言わないようにして(笑)。ネガティヴな私たちだけど、そこは出さないように心掛けてました」

――意識的にそうしていたんですね。Negiccoはソロも含め、色んなロケーションや編成でオンラインライブをしているじゃないですか。すごく面白いなと思ったんです。それはやはり飽きさせないような工夫をしないと、というところですよね。

Nao☆「その企画力は、ゆっきー(EHクリエイターズのディレクター雪田容史)が持っていて。やっぱりすごいなって思いました。そういうのを聞いたときに、逆に自分たちから提案できることはないかなと思って、セットリストを考えてみたりもしました。まだ配信にも慣れてないんですけど、〈リモートだからここまでしかできない〉というふうには考えないで、〈リモートでもこれだけ幅を広げることができる〉ということを表明できればいいなって。新曲の振り付けをやっているんですけど、お客さんが目の前にいることを想像しながらやってます。こういう世の中だからネットを通して繋がれてるところもあると思うんですよ。繋がれないから寂しいということではなく、できることをやっていこうという気持ちです」

――Negiccoは全国にファンがいるので、オンラインライブでどこからでもアクセスできるというのが嬉しい人も大勢いますよね。

Nao☆「配信ライブをやると、これまで見られなかった人が見てくれてファンになってくれたりとか、インターネットサイン会も会場だと恥ずかしくてできなかったけど、これなら参加できるということで参加してくれたりとか。自分たちがこれまでチャレンジしてこなかったことをやることで逆に輪が広がるような感覚もあります」

――メリットを発見することもあったわけですね。ちなみにMeguさんの結婚でグループになにかしらの影響はありましたか?

Megu「あったのかな?」

Nao☆「ファンの人たちがとにかくいい人たちなんだなっていうのは実感したよね」

Megu「うん。本当にありがたいです。でも、結婚発表したあともなかなかファンの人には直接会えてない状況なので、このままフェードアウトしちゃう人もいるかもしれないですね……」

――そんなふうに思わなくていいと思いますけど(笑)。

Megu「けど、私自身は全然変わってないので。そのあたりのことはファンの人にちゃんと伝わったらいいなと思います」

Kaede「私はぽんちゃの影響ありました。アイドルなのに結婚してないことをイジられるというか(笑)。まさかそれでイジられるとは思ってなかったです。いままでにないパターンかなとは思います。そんなことはありましたけど、別にそれで傷ついたりはしてないです(笑)」

――グループ内の少数派になってしまったという(笑)。新曲の振り付けもしているということですが、3人で会う機会はどういう感じになっているんですか?

Nao☆「8月は特に忙しいのでちょこちょこ会ってますね」

Kaede「コロナウイルスの影響で延期になっていた仕事を最近になって立て続けにやっているので」

――なるほど。後ろ倒しになっていたものがギュッと集まっているわけですね。

Kaede「春は全然集まれなかったんですけどね」

Megu「17年間でこんなに会ってないのは初めてくらいでした」

――今年は本当に異例中の異例の年ですよね。しかし17年と聞くと改めてキャリアの長さに驚きます。以前、結成15周年のときに〈そろそろ20周年が見えてきたんじゃないですか?〉と訊いたら、〈いや、1年1年が勝負だからわからない〉というようなことを言っていて。

Nao☆「言ったかもしれない」

――いまはどう考えていますか?

Nao☆「3人での目標は20周年で日比谷野音に立つことなんですけど、一人結婚して二人結婚してとなると、それこそ1年後にどうなるのかわからないというか、自分自身の環境が変わってそうで。そのときに同じ形を維持できるのかなって思うんですよ。たとえばMAXさんは結婚されて出産されて、それでもグループを続けているのはすごいことだなと思います。私たちはまだそこに踏み込んでいないので、野音という目標はあるけれど、見えない部分ではあります。どうなるんだろう? コロナだって、ウイルスが広がってライブができなくなるなんて想像してなかったじゃないですか」

――たしかに。明日のことはわからないですよね。

Nao☆「明日やろうは?」

――バカ野郎……ですか(笑)。

Nao☆「(リモート・インタビューの)画面に映ってるほかの人が誰も笑ってない(笑)。一日一日を大事にしなきゃですよね」

Kaede「3年後にライブの文化がどうなってるかもわからないじゃないですか。お客さんをどこまで入れられるのかもわからない。そうするとどうなのかなって思います」

――20周年での野音は目標にしつつも、状況に応じてやっていくしかないと。

Kaede「そうですね。健康に気をつけて頑張りましょう」

Megu「ファンの人もそうですよね。心配ですよ」

Kaede「Negiccoが生きる活力になっていた人たちがいまどうしているのかって思います。人生に大きく関わっていたという人が結構多い気がするので、早く一緒に楽しめる日が来るといいなと思います」

Megu「5Gとかで触れ合えないけど一緒にラインダンスできるやつを開発してほしい(笑)」

――長く続けていくとそういう関係性もできていくわけですね。人生に深く関わっていると。

Megu「そうですね。小学生の頃から応援してくれていた子がこの前、二十歳になったと言っていて。そんな成長が見続けられるのも続けてよかったなと思うことでした」

 

〈いままでにないNegicco〉な3曲

――ニュー・シングルの話をしましょう。久々のリリースですね。

Nao☆「約10か月ぶりで。本当は結成月に合わせて7月リリース予定だったんですけど、なかなかレコーディングもできない状況だったので」

Kaede「まず“さかさま”を録って、そこから結構空いたあとに2曲録った感じです」

Nao☆「“午前0時のシンパシー”を最初に録る予定だったよね? 東京に行くことも、一十三十一さんに新潟へ来てもらうこともできないので、それで順番的には“さかさま”を先に録りました」

――では“さかさま”からいきましょうか。沖野俊太郎さんが作編曲でconnieさんが作詞のこの曲は構成がユニークだなと思っていて。

Kaede「1番と2番の歌詞が一緒なんですよね」

――まったく同じ歌詞を繰り返すのが面白いですよね。

Kaede「歌割りとメロディが変わるから全然気付かなったよね? 最近言われて、そういえばそうだったって気付いたくらいで」

――意図は聞いているんですか?

Megu「聞いてないです。大事なことだから2回言った。いや、違うかな(笑)」

――曲調としては。

Nao☆「ネオアコです!」

――覚えたての言葉を言わされてる感が若干(笑)。

Nao☆「ゆっきーから〈ネオアコです〉って来たんですよ。おー、ネオアコいいじゃんって(笑)」

Kaede「耳に残りますよね。繰り返しても飽きない、延々と聴いていられる曲で。聴けば聴くほどよくなる曲だと思います」

Nao☆「“江南宵唄”みたいに英語っぽく歌う感じの曲で。それが難しかったです」

Kaede「connieさんからは日本語っぽくハキハキ歌わないでほしいと言われました」

Nao☆「リズムに合わせるというよりはちょっと遅らせて歌うというか」

――洋楽っぽいんですよね。振り付けに関してはどうですか?

Nao☆「動かないけど動くみたいな」

Kaede「サビはあまり動かないよね」

Megu「どっちかというと伝えるみたいなイメージのダンスです」

Nao☆「Negiccoはニュアンスが苦手というか、自由に表現するみたいなのが恥ずかしくて、いままでだったら棒立ちで歌っちゃうみたいなことも多かったんですけど、そういう部分も任されるようになったなと思います」

――表題曲の“午前0時のシンパシー”は一聴してこれまでと違うとわかる曲で。これは作詞が一十三十一さんで、編曲がPARKGOLFさんで、作曲はそのお二人の共同名義です。

Nao☆「かっこいいです。音は違うけど、雰囲気は“矛盾、はじめました。”に繋がるものがあるのかなと思ってます。女性らしいというか、女性が関わっているのを感じました。色っぽさを感じて」

Megu「Negiccoは大人の女性に憧れる女性だもんね」

――みなさん大人じゃないですか。

Kaede「年齢的には大人だけど、大人っぽいという意味での大人じゃないというか。いつまで経っても親戚の子というか(笑)。色気とかと遠い感じがするので」

――そんなNegiccoだけれども、この曲ではそこを表現している。

Megu「そこは意識して歌いました」

――一十三十一さんとのレコーディングはいかがでしたか。会ったときの印象とか。

Nao☆「顔ちっちゃい」

Kaede「すごく華奢で」

Megu「マスクして来られたんですけど、それでも大人の色気がダダ漏れでした」

Kaede「キラキラしてたよね」

――芸能人に会ったみたいな感想(笑)。

Nao☆「ふふ(笑)。でも芸能人だったよね」

Megu「ホントにそんな感じ」

――ヴォーカル・ディレクションに関してはいかがでした?

Megu「“さかさま”と逆ですね。“さかさま”が流れるように英語っぽく歌ってほしいというオーダーだったんですけど、私が一十三十一さんに言われたのは、言葉をひとつひとつ置くように歌ってほしいということで。力を抜いて、優しく、吐息が混じるように大人っぽく歌うのを意識しました」

――レコーディングの時点でPARKGOLFさんのアレンジはどのくらい完成していたんですか?

Megu「80%くらいみたいです。レコーディングはパーゴルさんも来てくれました」

――ほぼこのトラックができた状態で歌っているんですね。仕上がりを聴いてみていかがでしたか。

Nao☆「先に一十三十一さんの歌を聴いていたので、自分たちはこんなに大人っぽく歌えるかなとか、曲に歌わされるんじゃなくてちゃんと歌えてるか心配だったんですけど、終わってから一十三十一さんが〈かっこよかったです〉って言ってくれて。完成を聴いたときも私たちの声がマッチして、新しいシングルとしてたくさんの人に広がっていけるかなと思いました」

Megu「デモでもらったときは完全に一十三十一さんの曲という感じだったので、この世界観に入るのは大丈夫かなって不安だったんですけど、完成を聴いてみたら一十三十一さんの世界に混ざることができていて。すごく嬉しい気持ちです」

Nao☆「こういう曲を作ってくださったのが嬉しいよね。Negiccoにはまだ早いよねってなったらこういう曲にはなってなかったと思うので」

――この曲はファンのかたのリアクションも大きいんじゃないでしょうか。

Megu「〈ネギStyle〉っていうNegiccoのラジオ番組で初オンエアしたんですけど、反応をいっぱいもらっていて。ジャケット写真とかアーティスト写真も含めて〈いままでにないNegiccoだ〉ってみんなも驚いてました」

Kaede「ファンの人以外でもラジオでかかったときに、〈これ誰の曲だろう?〉って引っ掛かる曲なのかなとは思います」

Megu「そういえば、ファンの人の感想を読んでたら〈知ってるNegiccoが遠くに行っちゃった〉みたいな意見もあってびっくりしました(笑)。急にガラッと変わったからかな」

――個人的にはそのくらい攻め攻めのほうがワクワクします。今回のシングルは全体的にそうですよね。connieさんが作詞・作曲、CRCK/LCKSがアレンジの“Sneakers!!!”もまたほかの2曲とは違うアプローチですよね。

Nao☆「小田(朋美)ちゃんが仮歌を歌っていて、小田ちゃんの語りかけるような歌いかたがその時点で完成されているというか。私はこの曲が一番苦戦しました」

Megu「リズムの取り方も難しいですし」

Kaede「サビ以外は音数が少ないのか。途中途中が複雑なところがあって、楽しいけどバンドさんが大変そう」

Megu「たしかにライブで聴いたら楽しそう。歌っててもすごく楽しい曲で、ライブによって表現も変えられるかもしれないなと思います。〈なまNEGIなまごめなまたまGO!〉のところとかね」

Kaede「あれをわざとつっかえる感じで歌うのが一番難しかったかも。言えちゃうから」

Megu「たどたどしく歌うっていうディレクションだったからね。私は普通につっかえましたけど(笑)」

Nao☆「ファンの人も言える準備をしておいてもらいたいです。かっこいい歌詞の2曲が続いて、もし私たちが遠くなっちゃったと感じたとしても、この“Sneakers!!!”でNegiccoはやっぱり近くにいるんだなと思ってほしいです」

Kaede「“Sneakers!!!”を聴いたらまた頭に戻って“午前0時のシンパシー”から聴きたくなると思う。繰り返し聴けるマキシシングルになっている気がします」

――いい感じにまとめていただき恐縮です。最後にシングルとは別のことを訊いていいですか? connieさんのソロ『VOICES II』も同日発売ですよね。

Megu「ライバル!」

――ライバル(笑)。作っていることを知らなかったんですよね。

Kaede「まったく知らなかったです。自分たちのリリースもあったし、Nao☆ちゃんも私もソロのリリースの準備をしてたから、いつの間に録ってたんだろうっていうくらいで」

Megu「ゲスト・ヴォーカルのみなさんもすごいラインナップですよね」

――前作を聴いたときはNegiccoにこの曲が欲しいと言ってましたよね。

Nao☆「“グリッター”欲しかった(笑)。でも小田ちゃんが歌ってるからかっこいいんですよね」

小田朋美をフィーチャーしたconnieの楽曲“グリッター”
 

Kaede「そうそう。今回もそれぞれの人に本当に合った曲になっていて。(高橋)麻里ちゃんの曲とか、すごくかわいらしいんですよ。全部めちゃくちゃいいです」

Megu「connieさんに〈Negiccoがいたから、そのご縁でみなさまと出会えた〉ということを言われたのが嬉しかったです。ある曲にはNegiccoの曲とリンクしているような部分も散りばめられていて、そういう繋がりもあるので嬉しいです」

――それはチェック必須ですね。といったあたりでそろそろ時間なのですが、今後のことを聞いても予定は立てづらい状況ですよね。

Nao☆「いまを生きる!」

Megu「いまを生きる(笑)」

――そうとしか言いようがない(笑)。

Kaede「会えない日は続きますけど、インターネットでもなにかしらやると思うので」

Nao☆「うん。こういう状況だけど、なにかをなくしていくんじゃなくて、別のことをやったりする方向に変えていきたいですね」