『荒野の用心棒』から始まるマカロニ・ウエスタンの世界的なブームも終焉を迎える最中に撮られた〈最後のマカロニ・ウエスタン〉。ブームの火付け役セルジオ・レオーネがプロデュースに周り、トニーノ・ヴァレリが監督した作品だが、レオーネ作品として語られることも多い本作。伝説のガンマン(『ウエスタン』に続きヘンリー・フォンダ!)と彼を慕い引退の花道を引導する名無しの風来坊(テレンス・ヒル)の物語は、レオーネとヴァレリとの関係でもあるだろう。映画は、『サム・ペキンパー』なる名前も登場するパロディ満載のコミカルな逸品。モリコーネの音楽と共に名無しのロマンに打ち震えられたし。