モリコーネの音楽が色鮮やかに炸裂する、世界初演のコンサート。

 2020年7月6日に91歳で逝去した、イタリアの至宝エンニオ・モリコーネ。その長いキャリアから生まれた珠玉の映画音楽の数々は今なお世界中で愛奏されているが、今年の秋には彼が生前から計画していたというコンサートがワールド・ツアーに先駆けて東京での開催が決定。指揮を次男のアンドレア・モリコーネが担い、長く活動を共にした演奏家や歌手と共に来日。演奏中は大スクリーンで、映画の各シーンや巨匠のバックステージ姿やインタヴューなどの秘蔵映像も初公開される。

 「指揮者の中には元ピアニストという名手が多いですが、私は作曲家出身で、父のユニークで豊かな音楽言語を誰よりも深く理解していると自負するひとり。その遺産を受け継いで皆さんに〈輪廻〉のように〈モリコーネ・プレイズ・モリコーネ〉スタイルでお届けできることをたいへん光栄に思います。優れた指揮者でもあった父からは様々なテクニックを伝授されましたが、いちばん大切にしている〈美学〉はエレガントな動きで、オーケストラにわかりやすく伝えることです」

 作曲家としてもあらゆるジャンルの楽曲を手掛けているアンドレアだが、やはり代表作は今日のモリコーネ・ブームのきっかけともいえるジュゼッペ・トルナトーレ監督の「ニュー・シネマ・パラダイス」(1989年)の“愛のテーマ”をおいて他にはないだろう。

 「父が私に電話をかけてきて、とてもロマンティックなシーンがあるんだけど、やってみないか?って言われてすなおな気持ちで書いた曲。父が凄く気に入って、ハグしてくれたのを憶えています。私の名前を伏せて監督に聴かせたら好評で、正式に採用された。とにかく共同作業できたのが嬉しかったし映画も大ヒットした。あの時は自分にも凄い才能があると思ったのですが……(笑)」

 公演ではこの曲を筆頭に「続・夕陽のガンマン」から「ミッション」、オスカーを受賞した「ヘイトフル・エイト」まで名曲が目白押しだ。

 「個人的には父の作品としては珍しく構造が左右非対称なところのある『アンタッチャブル』の音楽が好きです。今回のプログラムは父が演奏の順番にもこだわって組んだもので、色とりどりの音楽の爆弾が炸裂するようなとてもファンタスティックなコンサートになるのは間違いありません! 東京フィルハーモニー交響楽団との共演が今からとても楽しみです。私も自分の全てを捧げて指揮しますのでご期待ください」

 


LIVE INFORMATION
エンニオ・モリコーネ オフィシャル・コンサート・セレブレーション
2022年11月5日(土)東京・有楽町 東京国際フォーラム ホールA
開場/開演:16:00/17:00
2022年11月6日(日)東京・有楽町 東京国際フォーラム ホールA
【昼】開場/開演:11:00/12:00
【夜】開場/開演:15:30/16:30
https://www.promax.co.jp/morricone/