©Jelmer de Haas

トリビュート・コンサート〈オフィシャル・コンサート・セレブレーション〉
――映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネのオリジナルスコアが大スクリーンの映像とともによみがえる!

 エンニオ・モリコーネが自らタクトを振り、映画を彩ってきた名曲を演奏する初来日公演が行われたのが2004年のこと。彼が75歳の時だった。その際にパンフレットを見て、あらためて多作家ぶりに驚いた。1955年から作曲活動を始めて、64年の映画「荒野の用心棒」の大ヒットで一躍注目の作曲家となった彼は、1年に10作以上の映画のスコアを精力的に書き続けた。下積みのアレンジャー時代から仕事の早さは、よく知られていたようだけれど、おそらく頭のなかでいつも音楽が鳴っていたのだろう。ピアノが手元にない、バカンスの時でさえも作曲していたという。

 そんな不出世の作曲家、エンニオ・モリコーネのトリビュート・コンサート〈オフィシャル・コンサート・セレブレーション〉が11月に初来日公演と同じ会場で開催されることになった。マエストロに代わって総勢140名のフル・オーケストラを指揮するのは、後継者である次男のアンドレア・モリコーネ。映画「ニュー・シネマ・パラダイス」の“愛のテーマ”を共作した作曲家でもある。

 実は、このコンサートは、もともとモリコーネ本人が生前に企画していたもの。2019年に第一線を退いた彼は、アンドレアやスタッフとともに生涯をかけて書き続けた自分の音楽が大きな会場アリーナで演奏されることを想定して、コンサートの構成や照明、映像など演出の構想を練っていたというのだ。

 そのなかで特筆すべきことがいろいろあるが、ひとつは、アンドレアに同行するピアニスト、ギタリスト、ベーシスト、ドラマーが長年マエストロのレコーディングやコンサートに参加していたミュージシャンであること。つまり何をこの曲で演奏すべきか、作曲者の意向を熟知している人たちが演奏するのだ。さらにマエストロは、コンサートなどで指揮する際は楽譜を詰め込んだスーツケースを自ら運び、誰にも触らせなかったという。その貴重なオリジナルの楽譜をアンドレアが引き継ぎ、今回使用する。そこには作曲者しか知らないことがきっと細かく書き込まれているに違いない。

 さらに初来日公演でも演奏に合わせて映画の名シーンが上映されたが、それに加えて巨匠のバックステージでの様子やインタヴューなどの秘蔵映像が初公開される。そんな演出とともに聴く「続・夕陽のガンマン」、「ミッション」、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」、「海の上のピアニスト」といった名作に提供した珠玉の名曲。きっと感動を新たにするに違いない。注目の〈オフィシャル・コンサート・セレブレーション〉のワールド・ツアーは、日本からスタートする。

 


LIVE INFORMATION
Ennio Morricone – The Official Concert Celebration in JAPAN
エンニオ・モリコーネ『オフィシャル・コンサート・セレブレーション』

2022年11月5日(土)東京・丸の内 東京国際フォーラム ホールA
開場/開演:16:00/17:00
2022年11月6日(日)東京・丸の内 東京国際フォーラム ホールA
【昼】開場/開演:11:00/12:00
【夜】開場/開演:15:30/16:30

■出演者
指揮:Andrea Morricone(アンドレア・モリコーネ)
オーケストラ:東京フィルハーモニー交響楽団
ピアノ:Leandro Piccioni(レアンドロ・ピッチョーニ)
ドラム:Massimo D’Agostino(マッシモ・ダゴスティーノ)
ベース:Nanni Civitenga(ナンニ・チヴィテンガ)
ギター:Rocco Zifarelli(ロッコ・ジファレッリ)
ソプラノ:Vittoriana De Amicis(ヴィットリアーナ・デ・アミーチス)
合唱指揮:Stefano Cucci(ステファノ・クッチ)
合唱:GLORY CHORUS TOKYO

■プログラム
「続・夕陽のガンマン」(1967)
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」(1984)
「アンタッチャブル」(1987)
「ミッション」(1987)
「ニュー・シネマ・パラダイス」(1989)
「海の上のピアニスト」(1999)
「マレーナ」(2001)
「ヘイトフル・エイト」(2016) ほか
※曲目は変更になる可能性がございます。
※()=日本公開年