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繰り返される諸行……ZAZEN BOYS(と向井秀徳)の20年小史

 2002年11月にNUMBER GIRLが(最初の)解散。その後、向井秀徳はみずから運営するスタジオ〈MATSURI STUDIO〉を設立し、2003年にZAZEN BOYSを結成した。当初のメンバーは向井、アヒト・イナザワ(ドラムス)、日向秀和(ベース)、吉兼聡(ギター)の4人。2004年1月にファースト・アルバム『ZAZEN BOYS』、同年9月に2作目『ZAZEN BOYS II』とハイペースに2作を発表した。2005年に、アヒトからBuffalo Daughterのサポートなどで知られる松下敦へとドラマーが交代。2006年の3作目『ZAZEN BOYS III』後に、日向が脱退し、吉田一郎が加入した。

 NUMBER GIRLの後半以来となったデイヴ・フリッドマンとの共同プロデュース作にして4作目『ZAZEN BOYS 4』(2008年)を経て、2010年に向井はLEO今井とエレクトロ・ファンクを志向するユニット、KIMONOSを結成。同年にアルバム『KIMONOS』をリリースした。

 2012年の5作目『すとーりーず』以降、本隊としてのリリースは今回の新作まで途絶えるが、楽曲提供やゲスト参加など向井の外仕事は多数。椎名林檎や百々和宏、eastern youthら旧友たちを筆頭に、香取慎吾、SOIL & "PIMP" SESSIONS、切腹ピストルズ、skillkillsなど多彩な面々の作品に、向井カラーと言うべき〈毒個性〉を加えてきた。加えて、宮藤官九郎の作品を筆頭に「ディストラクション・ベイビーズ」や「渇水」など映画音楽を手掛けることも多い。また松下もドラマーとして各方面で重宝されており、最近でも秋山黄色やAdoの楽曲で叩いている。吉兼はタルトタタンの2015年作『シロ・デューサー』で演奏していた。

 そして2018年、前年に脱退した吉田の後釜として、MIYAが新ベーシストに。2019年のNUMBER GIRL再結成~(2度目の)解散を含む以降の動向はインタヴュー本文で語られている。 *田中亮太

左から、ZAZEN BOYSの2004年作『ZAZEN BOYS』、『ZAZEN BOYS II』、2006年作『ZAZEN BOYS III』、2008年作『ZAZEN BOYS 4』、2012年作『すとーりーず』(すべてMATSURI STUDIO) 、KIMONOSの2010年作『KIMONOS』、椎名林檎の2019年作『三毒史』(共にユニバーサル)、 香取慎吾の2022年作『東京SNG』(ワーナー)、切腹ピストルズの2020年のシングル“日本列島やり直し音頭二〇二〇”’(DURA)、秋山黄色の2019年のミニ・アルバム『Hello my shoes』(BUG TYPE) 、タルトタタンの2015年作『シロ・デューサー』(EMISSION)