ファレル・ウィリアムスがニューアルバム『Black Yacht Rock, Vol. 1: City Of Limitless Access』をリリースした。

2023年にルイ・ヴィトンのメンズクリエイティブディレクターに就任し、ファッションの世界で大活躍しているファレル・ウィリアムス。ラッパー／プロデューサーのタイラー・ザ・クリエイターとのコラボレーションによる2024年春のメンズコレクションも話題になった。ファレルの伝記映画としてレゴブロックによる「Piece By Piece」とミュージカル映画「Atlantis」の製作も進んでいるなど、カルチャーの世界で話題を振りまきつづけている。

そんなファレルが、新作『Black Yacht Rock, Vol. 1: City Of Limitless Access』を昨日4月5日、自身の51歳の誕生日に突如発表した。アルバムは特設サイト（https://blackyachtrock.com/）で10曲をストリーミングで聴けるほか、MP3がフリーダウンロードにて配布されており、現状、Spotifyなどのストリーミングサービスなどで聴くことはできない。本作はファレルの故郷でもある〈VIRGINIA〉という名前でリリースされており、これが新たな名義やグループ名なのかは不明。なお、ファレルはアルバムのことをSNSなどで一切告知しておらず、作品の背景や参加者も明らかになっていない。

アルバムタイトルにある〈ヨットロック〉とは、70～80年代に隆盛を誇った音楽ジャンルで、米西海岸を中心に生まれ、ロックとソウル／R&B、ジャズなどをミックスさせたもの。英語圏で言うソフトロック、日本語圏で言うAORに近い音楽性であり、シティポップにも関連する。2000年代以降、同名のコメディ番組でのパロディ的、時に少々蔑称的に使われた時期を経て、2010年代には再発やサンダーキャットのような新世代のアーティストによる再評価によって定着した。日本では、解説書やコンピレーションアルバムもリリースされている。

そんなヨットロックにファレルが挑んでいるということでも、『Black Yacht Rock』は注目だ。心地よくリラクシンな新機軸のソウル／ヒップホップサウンドとファレルらしさとが混ざり合っており、必聴の作品だと言いたい。

タイトルに〈Vol. 1〉とあるように、続編もリリースされるのだろうか。ファレルの今後の動向も要チェックだ。

 

RELEASE INFORMATION
VIRGINIA『Black Yacht Rock, Vol. 1: City Of Limitless Access』
リリース日：2024年4月5日（金）

TRACKLIST
1. Richard Mille
2. Dandy Lying
3. Come On Donna
4. Just For Fun
5. Caged Bird Free
6. Ball
7. 11:11
8. Who Needs Rest?
9. Cheryl
10. Going Back To VA