後進とのコラボも絶賛された傑作『MERCY』(2023年)から1年で早くも届いたニュー・アルバム。気安いタイトルやジャケの印象が示唆するように、創作と探究の原動力となったのは昨今の世界情勢や社会問題への怒りだ。今回は基本的に独力でのパフォーマンスが多くを占める内容で、ヴェルヴェッツやルー・リードの影が見え隠れするのも気負いのない境地を窺わせる。