IT IS MY BIG PLEASURE SONG
MONGOL800のトリビュート盤に集合した全10組の縁と実り

【東京スカパラダイスオーケストラ】

スカパラの結成25周年を記念したバンド・コラボ企画で、10-FEET、ASIAN KUNG-FU GENERATIONと並んで声を掛けられたモンパチ。それを機にお互い交流を深めるようになったという。そのスカパラがカヴァーしたのはファースト・アルバム『GO ON AS YOU ARE』から、いまなおライヴで根強い人気を誇る“DON’T WORRY BE HAPPY”。原曲も飛びっきり陽性だが、そこにスカパラ・メンバーの爽やかな歌声とホーンが乗ることで明るさが倍増している。聴けば笑顔になる最高のオープニングだ。

 

▼東京スカパラダイスオーケストラの2014年作『SKA ME FOREVER』(cutting edge)
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【RIP SLYME】

2005年に四国の野外フェスで出会い、その後にRIP側からコラボの話があって“Remember”(2007年)を共作したことから距離が縮まった両者。今回は『MESSAGE』から名曲“あなたに”をカヴァーしている。これがテンポもアレンジも歌メロもかなり手を加えた力の入れようで、60sソウル風に調理したRIP流のオリジナリティーが大爆発。とはいえ、肝心なサビのメロディーは原曲通りだったり、曲の良さと自分たちらしさをうまく融合させている。やられました。

▼RIP SLYMEの2013年作『GOLDEN TIME』(unBORDE)
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【BEGIN】

モンパチの大先輩にあたるBEGIN。メンバー自身も彼らが参加してくれたことで作品に広がりができたと語っているが、まさに言い得て妙。BEGINらしさ満載で、アルバムに良いフックをもたらしている。選曲も意表を突く形で、『Daniel』に収録された儀間のペンによる“地球図鑑”をカヴァー。比嘉栄昇の独特な歌い回しで民謡調に仕上げ、懐かしさに彩られた原曲の雰囲気を見事に掘り下げている。

▼BEGINの2012年作『トロピカルフーズ』(インペリアル)
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【Cocco】

続けて沖縄の歌姫、Coccoが登場。昨年、地元の新聞の企画でキヨサクとCoccoが対談した際に、彼女のピュアでストレートな人間性に触れ、今回オファーしたら快くOKの返事をもらえたそうだ。選曲はカヴァーやコラボ音源を集めたモンパチの編集盤の第2弾『etc.works2』(2011年)より、同作のために書き下ろされた“SAYONARA DOLL”。ビッグバンド風のゴージャスな演奏をバックに、Coccoの透き通る美声が胸に突き刺さる。テーマパークにいるようなキラキラした曲調も眩しい。

▼Coccoのニュー・アルバム『プランC』(スピードスター)
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【奥田民生】

モンパチは『ユニコーン・トリビュート』(2007年)で“大迷惑”をカヴァーし、同年に地上波の音楽番組に初登場した際には、奥田民生と共演を果たした。今回は「モンパチの楽曲の中でいちばん民生さんに合うだろう」という思惑で、『Daniel』収録の“Hunky-dory”をモンパチ側からリクエストしたそうだ。原曲に忠実なスワンプ調のカヴァーに仕上がっており、アレンジも至ってシンプル。だからこそ、民生節全開で持ち味を存分に発揮している。

▼奥田民生の2013年作『O.T. Come Home』(キューン)
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【サンボマスター】

モンパチのメンバーとはほぼ同世代で、公私共に仲が良いというサンボマスター。今回は『百々』に収められている“星の数 月の数”を、原曲とは趣を変えてアコースティック・ギターを用いた柔らかなタッチのアレンジで聴かせている。ヴォーカル/ギターの山口隆も抑制の効いた甘い歌声で、楽曲に流れる哀切極まるメロディーを繊細に表現。

▼サンボマスターの2013年作『終わらないミラクルの予感アルバム』(Getting Better)
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【真心ブラザーズ】

昨年9月に真心ブラザーズに誘われ、2マン・ライヴを行ったモンパチ。その時に一緒にセッションしたのが『eight-hundreds』収録の“ターコイズ”だったという。そんな経緯もあり、今回はモンパチ側から同曲を提案してカヴァーが実現。原曲はイントロがヒップホップ調で、モンパチとしてはかなり異色のアレンジが施された内容だったが、真心版は2人だけで全楽器を担当。テンポをグッと落とした人間臭いアプローチが魅力的だ。シェイカーの導入も功を奏している。

▼真心ブラザーズの2014年のシングル“I’M SO GREAT!”(Do Thing Recordings/徳間ジャパン)
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【JUJU】

JUJUとキヨサクはプライヴェートでも友人同士で、彼女の2作目『What’s Love?』(2009年)に収められたコラボ曲“愛しい”をはじめ、アルバムなどに楽曲提供している旧知の間柄。今回のトリビュート盤では『MESSAGE』収録の名曲“小さな恋のうた”を堂々とカヴァーしている。JUJUのイメージに沿ったジャズ調のシックなアレンジになるのかと思いきや、それをいい意味で裏切る正攻法のバラード仕立てにて勝負。最小限に抑えたバックの演奏は、彼女の憂いを帯びた歌声の魅力を最大限に引き出している。

▼JUJUのニュー・シングル“ラストシーン”(ソニー)
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【Dragon Ash】

モンパチとほぼ同世代のバンドであり、毎年フェスやイヴェントでは必ずと言っていいほど顔を合わせているDragon Ashとは、お互いに惹かれ合う部分があるに違いない。本作ではモンパチ側からのリクエストに応える形で『MESSAGE』収録の“月灯りの下で”をカヴァー。激しくなりすぎず、優しくなりすぎず、絶妙なバランス感覚をキープした我流のアレンジを披露している。また、Kjの内面から感情が滲み出たようなエモーショナルで男臭い歌い回しもかっこ良い。

▼Dragon Ashの2014年作『THE FACES』(MOB SQUAD/ビクター)
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【怒髪天】

モンパチ・トリビュートの最後をビシッと締め括ってくれるのは、バンド界の兄貴的存在の怒髪天。TVアニメ「団地ともお」の主題歌“団地でDAN!RAN!”(2013年)でキヨサクとコラボしたことをきっかけに急接近したそうだ。『MESSAGE』収録の“夢叶う”をカヴァーしているのだが、これが文句ナシのハマりっぷり。原曲のポジティヴな世界観とも相まって、怒髪天の持ち味がフルに発揮されている。爽やかなイントロ、力強いリズム、勇壮なコーラス、増子節炸裂の歌声も熱い!

▼怒髪天の2014年のシングル『今夜も始まっているだろう/スポーツ大佐のテーマ』(インペリアル)
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