随分長い夏休みをいただいてしまいました。朝晩はだいぶひんやりとお寒うございます、って感じで夏休みもなにもあったもんじゃないってところですが(汗)。

OZZY OSBOURNEのソロキャリアを総括する2枚組映像集が先日リリースされまして、まぁ衆目は2枚目、RANDY RHOADSの新規未発表映像が含まれるのか否かに集中したようですが(残念ながらブートで既に発掘されたものばかりでした…勿論正規収録に大いなる価値アリ、とは思います)、僕はアルバム発表順に並べられた1枚目のMV集が大変面白かったです。意外なことに、こういう企画の映像集は初めてとのこと。そういやそうかも知れません。何故か“Shot In The Dark”が収録から漏れていて、これは〈暗闇にドッキリ!〉という邦題がイケなかったのか(冗談です。全世界的に収録されていないみたいですから)、それともライブステージ映像中のOZZY大仏(アルバム、『The Ultimate Sin』のジャケットを飾る蝙蝠羽の生えた怪物を模したもの…これ、生頼範義の絵なんですよね)があまりに酷い出来だったからなのかは定かでありませんが、ちょっとした謎を含みつつ他にもそこここに突っ込みどころ満載の楽しいDVDです。

初っ端の“Bark At The Moon”でカメラ目線もばっちりとドラムスティックをクルクル回すCARMINE APPICEを見て、あんたアルバムでドラム叩いてないじゃない!とニヤニヤした学生時代を思い出したり、時代が下るごとにギターの音と見た目がどんどんふてぶてしくなっていくZAKK WYLDEに驚愕したり。一世を風靡したMTVのリアリティ番組「Osbournes」で色々とナニな姿を見せた息子、JACK OSBOURNEのあどけない子供時代の演技もかなり印象深いです。

しかしなによりかにより、時代に即して変遷していくOZZYの容姿と楽曲の傾向たるや常に先頭を走る者の凄みみたいなものを強く感じさせますねぇ。実際、どんどん老いてお爺ちゃん化しているのに声は殆ど変わらず(勿論現代のスタジオ技術を駆使しているのでしょうが)、その様子だけでも相当鬼気迫るものがあります。メタルの最先端を意識するあまり近年のアルバムでは聴き手の望むものと些か乖離してしまった部分もありますが(そういう意味でもBLACK SABBATHへの回帰は大変素晴らしかった訳です)、まるで時代と並走することでしか生きられないとでも言いたげな、ある種苦行僧のような生き様が垣間見えてくる映像集でありました。これはちょっと凄いよ。

で、そうした中でもやっぱり一際光るのはこれかなぁ。ライブ活動からの引退を決めて(後に撤回)少しく枯れてしまった中で安堵とともに歌われた曲で、なんとも言えない寂寞感を漂わせる大名曲ですな。これの歌詞を書いているのがLEMMY KILMISTER氏であるというのがまた、一層の感慨を呼ぶのです。一応これにも軽く突っ込んでおきますと、アルバムでフレットレスベースを弾いていたのはBOB DAISLEY(映像ではMIKE INEZになっていますね)です…ま、どうでもいいか。

復帰1発目ということで、押しも押されぬ大メジャーについて書いてしまいました。ぼちぼち些末な方向へ戻していきたいと思っています。