NYの気鋭レーベル、セイクリッド・ボーンズからUKニューウェイヴの総本山=ミュートへ移籍した現代ダークウェイヴ・シーンの歌姫。本作ではこれまでより開かれたサウンドを鳴らしつつ、シベリアに鬱蒼と生い茂る針葉樹林(タイガ)のような威厳に満ちた暗黒美学を貫いている。


M83作品への客演や奇才フィータスとのオーケストラルなコラボ盤も経たインディー・ゴシック界のディーヴァが、ミュートに移籍して注目の新作をリリースした! 今回はデヴィッド・リンチ仕事で名高いディーン・ハーレーとタッグを組み、LAを離れて冬のヴァーモントでレコーディング。従来の世界観はそのままに、デスティニーズ・チャイルドなどを聴いて育ったという自身の音楽遍歴もわりとストレートに反映していて、ヴォーカルに重きを置いたプロダクションが印象的だ。先行シングル“Dangerous Days”あたりはリアーナのファンにもヒットするのではないだろうか。全編通じてグライムスほど軽くなく、ナイフほどエッジーになりすぎない、絶妙な匙加減のダーク・エレポップが楽しめる。