7年ぶりのオリジナル・アルバムとして届いた前作『A Bit Of Previous』に隠れた双子がいたなんて! 同時期に録られたものの、本作はレーベルにも秘密にされていたそう。バンドの思春期にあたる80年代のサウンドを盛んに採り入れた前作とムードは共通し、特にエレポップな先行シングル“I Don’t Know What You See In Me”のアンセム感は強烈。とはいえ全体としてはシンセ以上にギターの存在感が増しており、“Give A Little Time”“So In The Moment”などはパワー・ポップ~カレッジ・ロック的な演奏が心地良い。結成前から存在した楽曲を、カメラ・オブスキュラのトレイシーアン・キャンベルを迎えて完成したという“When The Cynics Stare Back From The Wall”に写る、グラスゴーの(かつての)若者たちの姿に泣ける。