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ストリーミング/プレイリスト全盛期への冷静な態度

――それって、音楽を聴く環境がストリーミング主流になってプレイリスト文化が浸透したからという背景もあるんでしょうか。

磯野「それは大きいでしょうね」

智之「ダンサブルな曲だったり、いきなり冒頭からキャッチーなカッティングのフレーズが入ってきたり、そういった曲は増えましたよね」

――今作においては、そういったプレイリスト的な環境というのは制作をするうえで念頭にはなかったですか?

智之「直接的にはなかったかな。でも、冒頭からツカみにいくというのはやりたいですよ。あくまで自分たちの表現する音楽の中で挑戦はしていきたいし」

磯野「でも、少なからず影響は受けていると思う。曲が短くなってきてはいるし」

智之「確かにそれはあるね。長くても5分以内にはおさめないと、というのはあるかもしれない」

磯野「冒頭から世界観にグッと引き込むようなサウンドアプローチはしてる。ただ、それが最終的に曲を作るうえでの良し悪しの判断基準にはなってない、ということかな」

――最初にバンドで作ったプレイリスト以外にも、制作を進めていくうえで参考にした曲などはありますか?

磯野「個別では色々あると思います。自分は、ドラムではやっぱりディアンジェロやエリカ・バドゥを研究対象にはしました。

あとは、バンドメンバーで観に行ったライブは間違いなく影響を受けていますね。その2人以外にも、ロバート・グラスパー、RHファクター、Ovallとか。

サンダーキャットは生で見て、ベースの音が出た瞬間に心臓つぶれるかと思った。やっぱり、音の出し方がおかしいじゃないですか。あれは我々もライブの音の出し方の参考にしたくて、稚拙な言い方だけど〈やっぱり音でかい方がいいよね〉って話したり(笑)。

もう一つ、影響を受けた度合いでいうとRC & ザ・グリッツも。エリカ・バドゥのサポートミュージシャンが集まったバンドで、サンプラーの使い方とかはモロに影響を受けましたね」

 

ノスタルジーの先の未来へ

――今どのプレイリストを聴いても、とにかくノスタルジーに向かってる気がするんです。それこそシティポップのリバイバルはノスタルジーと密接に結びついていたし、一部のR&Bも昭和歌謡的なものに回収されつつある。若くして音楽をやっている子たちと話していると〈ノスタルジーで何が悪いの?〉って感じだし、別に悪くはないんだけど、けっこうその開き直りにびっくりしたりもする(笑)。という時に、Emeraldって前を向いて前進している気がするんですよ。もちろん過去の音楽を参照している部分もあるんだけど、とは言え未来を向いているように聴こえる。

磯野「まず、懐かしいものを作りたいとは思ってないです。ただ、好きなものは古いものではある。それを〈懐かしいな〉と思って聴くか、〈マジでカッコいいな〉と思って聴くかというマインドの違いだと思う。〈この空気を再現したいんだ〉ではなく、〈やりたいことはこれなんだけどこれだと古く聴こえちゃうから今の解釈としてやりたい〉っていうことじゃないかな」

智之「〈古くていいじゃん〉って言ってる子たちが、10年後にどんな音楽をやってるかはすごく興味がありますね。僕らはキャリア的には今まさにその10年後くらいの位置にいて、そんな僕らが〈古くていいじゃん〉をやると本当に古くなっちゃう。そういうのは、若い子たちがやってるからこそ面白くてフレッシュに聴こえるんだと思います。僕らがやったらつまらないし、そもそもお前らがやらなくていいよってなるだろうし(笑)。

あと、音像感の話にも近いかも。自分たちとしては、今作ではパキッとしたクリアな音像を目指していたしね」

――なるほど、腑に落ちました。だからこその〈Neo Oriented〉ということですよね。〈Neo〉にその想いが詰まっている。このノスタルジックなリバイバル時代に本作がどう受け止められるのか、とても楽しみです。

 


RELEASE INFORMATION

Emerald 『Neo Oriented』 Maypril(2024)

リリース⽇:2024年8⽉28⽇(⽔)
品番:MPLR-024
形態:CD/配信
価格:3,300円(税込)

配信リンク:https://friendship.lnk.to/neooriented_emerald

■CD先着購⼊特典
メンバー直筆サイン⼊り⾳源DLリンク付きJK写ポストカード
1.「サウンド&レコーディング・マガジン」MIRAGEミックスコンテスト最優秀賞受賞者⾳源
2. MIRAGEレコーディングエンジニア向啓介⽒によるリミックス⾳源
3. Emeraldメンバーによる創作⾳源(リミックスetc.)
※先着特典のため、無くなり次第終了となります。ご了承ください

TRACKLIST
1. You & I
2. in the mood
3. Pendulum
4. ストレンジバード
5. 逆さの⽬
6. 楽園
7. 消えた陽炎
8. Falling Night
9. 摩天楼のラビリンス
10. Lovin’
11. ララバイ

 

LIVE INFORMATION
Emerald 3rd Album「Neo Oriented」
Release Tour “Ray of Hope”

2024年9月7日(土)⼤阪・東心斎橋 CONPASS
開場/開演:18:30/19:00
ゲスト:First Love is Never Returned
前売/学割:4,500円/3,000円(いずれも税込/D別)
Info:SMASH WEST 06-6535-5569

2024年9月8日(日)愛知・名古屋 stiff slack
開場/開演:18:30/19:00
ゲスト:First Love is Never Returned
前売/学割:4,500円/3,000円(いずれも税込/D別)
Info:JAILHOUSE 052-936-6041

2024年9月20日(金)東京・鶯谷 東京キネマ倶楽部
開場/開演:18:30/19:00
前売/学割:4,500円/3,000円(いずれも税込/D別)
Info:HOT STUFF PROMOTION 050-5211-6077

 


PROFILE: Emerald
2011年結成。ジャズ、ネオソウル、AORなどのサウンドにジャパニーズポップスの⽂脈が加わった新時代のシティポップミュージックを提⽰する⽇本のバンド。1stミニアルバム『On Your Mind』ではリードトラック“ムーンライト”がラジオ各局でパワープレイに選出。2021年はバンド結成10周年を記念したシングル4作連続リリース企画がスタート。9⽉リリースの“Sunrise Love”を始め楽曲がラジオ各局でプレイされている。2022年1⽉には10周年記念ワンマンライブを東京・渋⾕WWW Xにて開催し成功を収める。Pop Music発Black Music経由Billboard/Blue Note⾏。