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[ 緊急ワイド ]インディー・ポップ百景
10年代も半ばまで過ぎました。まだそんなこと言ってんの?という声もおありでしょうが、旬も流行も浅薄な理屈も時代のムードも超えた地平で響いてほしい音楽たちは、世界中から毎日のように登場しています!

 


 

cero Orphans/夜去 KAKUBARHYTHM(2014)

前回のシングル以降の指標は、小沢健二『Eclectic』におけるネオ・ソウル解釈のアップデートで、今作はその源流と言える90sの時代感――J-Popと〈黒い音楽〉との折衷感も念頭にあったそう。同じ眼差しを持つアクトが増加中の昨今、東京インディー界隈の牽引役は相変わらずこの3人組が担っている。 *土田

 

 

CICADA BED ROOM para de casa(2015)

女子ヴォーカルを擁する5人組の初作。国内外のさまざまな文脈から浮上する90年代R&Bのテイストをバンド・サウンドで再解釈しつつ、インディーR&Bのアンニュイさや、いわゆるグラスパー以降のビート感も滲ませている。多方面に手を広げながら〈アーバン〉の一言で括れるまとめ方が鮮やか。 *澤田

 

 

LUCKY TAPES Touch! RALLYE(2015)

2014年6月結成とまだ1年に満たない活動歴ながら、そのムーディーかつグルーヴィーなR&B~ソウル調の楽曲が話題となり、限定EPを完売させるなど大きな注目を集める4人組。女性コーラスやホーン・セクションを採り入れ、より華やかさを増したこの最新シングルに続いて、初夏にはアルバムを予定! *金子

 

 

入江陽 仕事 Pヴァイン(2015)

医師免許も持つ異色のシンガー・ソングライターの2作目は、プロデューサーに大谷能生、ゲストにOMSB池田智子Shiggy Jr.)らを招聘。ソウル~ファンク~ジャズをシュールに渡り歩くエクスペリメンタル歌謡は完全なる独自路線で、見てはいけないものを覗くような、どこか不道徳な危うさが魅力だ。 *土田 

 

 

思い出野郎Aチーム WEEKEND SOUL BAND felicity(2015)

ブリージンなアーバン・ソウルに乗る泥臭いダミ声ヴォーカル――mabanuaのプロデュースをもってしてもお洒落にはならなかったという、洗練されすぎない佇まいで目を引く7人組。ソウルをスムースに咀嚼した90s以降のJ-Popとリンクするアクトが急上昇中のなか、この個性はさりげなく貴重かと。 *土田 

 

 

Emerald Nostalgical Parade FunLandRyCreation(2014)

PaperBagLunchboxのフロントマンと、ネオ・ソウルを愛する楽器陣によって結成。チルウェイヴ~インディーR&B、さらにはロバート・グラスパー以降の新しいジャズの流れともシンクロしつつ、あくまで中心にあるのは日本語によるソウルフルな歌唱という、稀有なバランス感を持った国産バンドと言える。 *金子 

 

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