関西発の5人組の初フル・アルバムがメジャーから登場。メンバー全員が会社員ながら、元ハンブレッダーズの吉野エクスプロージョンをはじめ、同地のバンド・シーンで鳴らした腕利き揃いだけにこの展開も必然だろう。なかのいくみの歌唱が持つ快活なキャラクターに、多様な音楽的エッセンスや個々のフレーズ、リズムの旨味を重層的・多面的に組み合わせて生まれる高水準のポップネスが、楽曲の隅々まで満ち満ちている。これは赤い公園やKIRINJIなどに通じるバンドならではのマジックだ。紆余曲折しながら、葛藤に沈んだり乗り越えたりする歌詞の詩的なユーモアも成熟している。