待望のニューアルバム『Precious Days』を2024年10月23日(水)にリリースする竹内まりや。本作のデラックス盤にはCDに加えて、配信ライブや野外イベント〈SWEET LOVE SHOWER〉でのパフォーマンス映像を収めたBlu-ray/DVD「Precious Live Collection」が付属する。また、2025年4月からは11年ぶりの全国アリーナツアーの開催が決定するなど、積極的に活動する竹内まりやに対する期待が高まっている状況だ。
そこで今回は、2020年にリリースされ、竹内まりや初の映像作品として話題を集めた「souvenir the movie ~MARIYA TAKEUCHI Theater Live (Special Edition)~」の魅力を改めて紹介。鑑賞済みの方はもちろん、まだ観たことがないという人はこの機会にぜひチェックしてもらいたい。
同作は、2018年にデビュー40周年を記念して劇場公開された映画「souvenir the movie 〜MARIYA TAKEUCHI Theater Live〜」に加えて、劇場未公開のライブ映像やそれまでに制作されたミュージックビデオのほぼすべてを収録したボリューム満点の2枚組となっている。2013年のシングル『Dear Angie ~あなたは負けない/それぞれの夜』や2014年のアルバム『TRAD』の初回限定盤にライブ映像を収めたDVDが付属されていたことはあったが、竹内まりやのコンサートをまとまった形で楽しめる作品は同作が初めてだった。
ディスク1の映画本編は、40周年にあたって竹内まりや本人からファンに向けての感謝の言葉からスタート。そこから2000年の日本武道館でのライブ〈souvenir〉に流れていくのだが、青山純のドラムをバックにバンマスの山下達郎が声援とともに登場(動く山下達郎が見れるのもレア!)、そして主役の竹内まりやがステージ脇から颯爽と姿を現して歌い始める“アンフィシアターの夜”から〈動く竹内まりや〉を堪能できる。
その後、印象的なギターイントロとともに“家に帰ろう(マイ・スイート・ホーム)”を披露するのだが、時折客席を見回すように歌う竹内まりやの姿に涙が出てきそうになるのは自分だけではないはず。というのも、この2000年のライブは約18年ぶりの公演であり、ファンにとっても本人にとっても久々の〈再会〉となった感慨深いステージでもある。その時の両者の想いを想像するだけで、涙してしまいそうになるのだ。
ちなみに、同公演の模様は2000年にリリースされたライブアルバム『Souvenir』で聴くことができるので、未聴の方はぜひ。
また劇中には、同ライブ以外にも2010年と2014年に開催されたコンサートの映像もあり、それら3つのライブ映像を繋ぎ合わせて1つの〈Theater Live〉として構成している。合間にはインタビューやレコーディングルームでの様子などを挟みつつ、“五線紙”“元気を出して”“カムフラージュ”“人生の扉”などキャリアを代表する名曲の数々が惜しみなく披露されていく。
中盤、山下達郎による納得の竹内まりや論が語られたのち、2000年の武道館公演での“プラスティック・ラブ”へ。今年の元日に公式YouTubeチャンネルにアップされたこともあり、すでに多くの人によって鑑賞されているであろうこのパフォーマンスだが、楽曲後半での掛け合いにおける山下達郎の超絶ロングトーンはもはや伝説だ。
ちなみに、映像作品に同梱されたブックレットにおける竹内まりやと山下達郎によるスペシャル対談では、この時の秘話が語られているので要チェックだ。
竹内まりやと山下達郎の最高到達地点とも言えるパフォーマンス
終盤も代表曲“駅”や竹内まりやと山下達郎&コーラス隊によるアカペラでの“リンダ”、さらに“不思議なピーチパイ”“SEPTEMBER”といった初期のヒット曲をメドレーで披露するなど見どころが満載。そして、竹内まりやから山下達郎への想いが語られるインタビュー映像のあとには、武道館のステージで2人だけで“LET IT BE ME”を歌唱。竹内まりやと山下達郎の最高到達地点とも言えるこのパフォーマンスには、ただただ感動するしかない。
同作のアンコール的な立ち位置とも言えるエンディングでは、竹内まりやが故郷の島根県出雲市を訪れる姿や幼少期の写真が映し出される“いのちの歌”のミュージックビデオが流れる。竹内まりやの活動スタンスについて「人間存在に対する常にポジティブな視点からの作風」と語った山下達郎の言葉を象徴するような、彼女ならではの〈人間力〉が存分に発揮された至境の映像だ。
なお、ディスク2には竹内まりやと山下達郎、センチメンタル・シティ・ロマンス(+バーニーズマウンテンドッグ)が和気あいあいと演奏する姿を捉えた“シンクロニシティ(素敵な偶然)”や、日本産シティポップを象徴する1曲として世界に誇る“プラスティック・ラブ”など全20曲のミュージックビデオを収録。さらに、〈Extra Tracks〉として“マンハッタン・キス”“告白(Live Version)”“シングル・アゲイン(Live Version)”“象牙海岸”のライブ映像も収められている。収録時間はディスク1を上回る114分というボリュームに充足感を覚えない人はいないだろう。
以上、「souvenir the movie ~MARIYA TAKEUCHI Theater Live (Special Edition)~」の見どころを紹介してきた。新作『Precious Days』の到着が間もなくという今、映像作品での〈動く竹内まりや〉の魅力も併せて堪能してほしい。