
ゾッコン、メロメロ、うっとり
――これで言うと、特に『意地』の曲は、以前からのPEDRO像に近いというか、初期の作風を好む人たちに向けられたところもあるのかなと思いました。
「あっ、納得です。その感覚はあるかもしれないですね。〈そういう人たちへ〉っていうピンポイントなものではないけど、いわゆるJ-Rock、夏フェスでわかりやすく手を上げられる曲みたいな、そんな楽曲にしたいと思って作った曲です」
――そして、“hope”もゆーまおさんアレンジで、ちょっと都会的なポスト・パンクというか作中では異色の感じで。
「〈私、無事帰還〉という曲ですね。穏やかな思考で生きてみて自分を見失って、そばにいてくれてた人たちをいったん突き放しちゃったんですけど、そういう人たちのもとに帰ってきた時の歌です」
――歌詞も具体的に感じられるところがありますね。そして、oniさんアレンジによるリード曲の“ラブリーベイビー”は純粋にポップで良い曲です。
「これはタイトル然り、内容、サウンド然り、自分史上いちばんポップなものを作ろうと思って作りました」
――良い7曲が揃ったと思います。あと、今回はアートワークをMISATO ANDO(元BiSHのリンリン)さんが手掛けていますね。
「BiSHの頃からわりと2人はアート志向というか、そういった部分でも波長が合う部分はあったので、解散時から〈いつか一緒に何か作れたらいいね〉って二人で話してて。その夢が今回のタイミングで叶ったという感じです。曲を聴いてもらって、話し込んで、リンリンが私にインタヴューしてくれたり、ちょくちょくプライヴェートで遊ぶことも多かったので、その時に相談したりしながら仕上げてもらいました」
――そんなリリースも間に挿みつつ、現在は9月からの〈ラブ&ピースツアー〉を回られている最中です。
「〈ラブ&ピース〉は、平和とか穏やかとか愛とかいう意味よりか、ゾッコン、メロメロ、うっとりという気持ちで埋め尽くされたライヴにしたいっていう意気込みですね。何かに没頭してる時って嫌なこと忘れられるじゃないですか。そういうものにしたいなっていう」

――そういえば、最近のステージではアユニさんの立ち位置が真ん中になりましたね。
「今年の夏ぐらいからそうしてて。やっぱりフロントマンとしての意思表明というか、傍から見ても、自分の中でも覚悟を決めるという意味合いでそうしました。前は視界に誰かがいることで安心してたけど、甘えてらんないなっていう」
――実際に真ん中はいかがですか?
「楽しいです(笑)。緊張するぶん、後ろで見守ってくださってる安心感があります。あと、最近は踊れるベーシストになりたくて、真ん中の人がいっぱい踊り回ってたらおもしろいじゃないですか」
――確かに、前より演奏しながら動き回られていますよね。
「バンドだとまた違うのかと思ってたけど、それこそ自分はいままで歌と踊りで表現してきたっていう術も持ってるから、そこを活かしたいって思って。いままでは〈バンドマンになろう〉みたいに思ってたのが、〈自分ができることをやろう〉というマインドになって。耳で聴いても目で見ても楽しいライヴをしたいなという意識に変わりました。まあ、そんなスカしてられるほどの技術も持ち合わせてないんで(笑)、できることを精一杯やろうと思ってます」
PEDROの近作。
左から、2023年のアルバム『後日改めて伺いました』、同年のシングル“飛んでゆけ”、同年のアルバム『赴くままに、胃の向くままに』、日本武道館公演の模様を収めた映像作品『PEDRO TOUR 2023 FINAL 「洗心」』(すべてユニバーサル)
関連盤を紹介。
左から、アユニ・Dが参加したMAISONdesの2024年作『Noisy Love Songs -MAISONdes × URUSEIYATSURA Complete Collection-』、ゆーまおが在籍するヒトリエの2024年のシングル『オン・ザ・フロントライン/センスレス・ワンダー[ReRec]』(共にソニー)