年末の横アリ公演での活動休止を発表したなかでのサード・アルバム。今回はついにアユニ・Dがすべての作詞作曲を手掛けており、とはいえここまで積み上げてきた独自性は確固としているため、既聴感と新鮮さの入り交じるサウンドの感触に大きな変化はなし。どこかメランコリックな情緒が色濃く滲むのはこのタイミングならではの賜物なのだろうが、その儚さが実に気持ち良く琴線に触れてくる。田渕ひさ子の轟腕もより大胆に前に出てきているように思えるし、Hack the Ceremonyにも期待できる毛利匠太のタイトな暴れっぷりも健在だ。無理のない伸びやかなメロディーメイクの心地良さもいつも以上で、これはトリオでの集大成と言っていいかもしれない最高傑作。オープニングの“人”から何かが込み上げる!