THE PRIVATESの歴史は、ブルースやリズム&ブルース、ロックンロール、そこから派生したブリティッシュ・ビートやパブ・ロックなどの豊饒さを、日本でいかに鳴らすかのトライアルだった。ミッシェル・ガン・エレファントやTHE BAWDIESは後輩も後輩。ビートを強く打ち出した演奏、ビター・スウィートなメロディーと詞を旗印にいまも活躍を続ける彼らが、2枚組の新作『Les beat』を届けてくれた。Disc-1にはモッドでヒップな“ONE MORE TIME”や感傷を振り払い前進する“リメンバー”など、グッとくる佳曲揃い。Disc-2はカヴァー集で、甲本ヒロトも参加したマディ・ウォーターズ“Rollin' Stone”などルーツ色が濃い仕上がりだ。
そしてトリビュート盤『PRIVATE LESSON~THE PRIVATES Tribute』も登場。直系の後輩、THE NEAT BEATSがラフに聴かせる“BOOGIE GO GO”、武藤昭平 with ウエノコウジがスパニッシュなボ・ディドリー風のビートに仕立てた“ALL DOWN RIVERS”、そしてOKAMOTO'Sが上述の“ONE MORE TIME”を気怠くカヴァー。2枚を通して、バンドの軌跡と影響力に思いを馳せるべし。