ゴールデンボンバーの結成20周年を記念したアリーナライブが2日間にわたって開催され、多くのファンが集った。その内、今回は〈新作-shinsaku-〉と題して最新のゴールデンボンバー、現在のバンドの姿を伝えた公演の模様をライター藤谷千明が伝える。なお配信も行われた両公演の視聴チケットは現在も販売中。ライブに来られなかった方ももう一度堪能したいという方も、ぜひチェックしてほしい。 *Mikiki編集部


 

あの頃の金爆でファンを楽しませた〈旧作-kyusaku-〉

ゴールデンボンバー20周年アリーナライブ〈旧作-kyusaku-〉、〈新作-shinsaku-〉が1月7日・8日、神奈川県・ぴあアリーナMMにて開催された。

2024年に結成20周年を迎え〈「金爆はどう生きるか」~意外ともう結成20周年ツアー~〉で全国をまわったゴールデンボンバー。今回のアリーナライブは1日目が結成から前半期の曲や演出を中心に構成される〈旧作-kyusaku-〉、2日目が近年の曲と新たな演出を中心に構成される〈新作-shinsaku-〉という両日まったく違う内容のステージを披露した。

1日目の〈旧作-kyusaku-〉では〈あの頃の金爆〉を思わせる衣装やヘアメイクで登場。根強い人気の初期曲やライブハウス時代のネタをブラッシュアップさせた演出、果ては2010年の武道館公演で披露され現在TikTokを中心にショート動画でも見られているという喜矢武豊(Gita-)による溶接芸も復活。〈旧作-kyusaku-〉という名にふさわしいステージで観客を大いに楽しませた。なお、アンコールのラストでは彼らを下積み期からブレイクまでの道のりを支えた元マネージャー所氏も登場し、人間習字を終えたばかりの喜矢武が思わず抱きつき、所氏まで墨汁まみれになるという一幕も。

そんな笑いと感動とカオスに包まれた1日目を終え、「(リハーサルを終えて)新作の方が面白い」とメンバー間で一致したという2日目〈新作-shinsaku-〉の模様を本記事ではレポートする。

 

世界の大谷に負けじと喜矢武も〈50-50〉を達成

会場に入るとステージ上のスクリーンでは開演時刻に合わせてカウントダウンしていく数列が表示されており、時折、樽美酒研二(Doramu)がボディコンディショニングパートナーに就任しているワコール〈CW-X〉のCM映像や、ライブ中のマナー喚起映像を挟みつつ、ステージ上の表示が〈00:00〉になるとステージが暗転。

前日〈旧作-kyusaku-〉の手作り感あふれるオープニングとは打って変わってスタイリッシュなEDM風サウンドをバックにスタイリッシュな映像が流れる。ステージ後方からスタイリッシュな衣装に身を包んだ樽美酒研二、歌広場淳(Be-su)、喜矢武豊が順番に登場し、最後にステージ中央から鬼龍院翔(Vo-karu)があらわれると新曲“シン・一曲目”を披露。続いて間髪入れずに昨年のツアーでもおなじみの“一曲目”へ(つまり、ややこしいけれど、1曲目が“シン・一曲目”、2曲目が“一曲目”というセットリストになる)。サビでYAZAWAよろしくタオルを投げるアッパーチューン“Hey Yo!”から恒例のMCタイムへ。 

鬼龍院はいつも通りアリーナから4階席まで全席種に声をかけ、配信の視聴者も忘れないホスピタリティの徹底ぶり。歌広場は準備運動と称して「横浜の皆さん! いけますか!」と観客を煽る。樽美酒は自身がボディコンディショニングパートナーをつとめるワコール〈CW-X〉のアピールに余念がなく、一方の喜矢武は昨年の大谷翔平選手の活躍にあやかりたいと、自分にも達成できる〈50-50〉があると宣言。その後始まる“抱きしめてシュヴァルツ”の間奏で樽美酒と喜矢武のMCにちなんだソロ(という名のネタ)が披露されるのが定番となっている。

ステージ床に白いブリーフが横一列に並べられたかと思いきや、〈50-パンティ〉とスクリーンに表示され、ものすごい速度でブリーフを一枚一枚重ね履きしていく喜矢武。その後方では自身の臀部に〈W-X〉という文字を描いてエアロバイクを漕ぐ樽美酒。「(CW-Xではなくて)尻W-Xだ!」という鬼龍院のツッコミがぴあアリーナMM中に響いていく。間奏が終わっても〈50-パンティ〉は続き、観客席からも応援の声があがる中、アウトロギリギリで50枚を達成。喜矢武に降り注ぐ金テープ。かなりコミカルな光景だが、息を切らせながら「ずっとスクワットしてるから……ハムストリングスが……」とお立ち台に座り込む喜矢武を見て思わず「燃え尽きてるボクサーじゃん!」と声をあげる歌広場。〈新作-shinsaku-〉でも金爆の下品さは健在であり、すでにスタイリッシュさは影を潜めてしまった。

「怪我には気を付けてパルクールを披露する」という鬼龍院と喜矢武のやりとりから始まった“首が痛い”では、首が痛いポーズ(2次元のゲームの立ち絵やイケメンのグラビアなどで首に手を当てるポーズが頻出することからこのポーズがネットミーム化した)を取り入れた振り付けで盛り上がる、続いての“イイね”では手の指だけでなく足の指でもイイねと親指を立てるメンバーたち。間奏で喜矢武がパルクールを披露するも、途中で怪我ならぬ〈毛ガニ〉にぶつかってしまう。「だから毛ガニ気を付けてってあれほど言ったのに……」と鬼龍院もガックリ。