3年ぶりの3作目。先日、自身のオルター・エゴをグレイス・ジョーンズに準えたジェニファーだが、今作ではそのグレイスやホイットニーといったある種の〈ディーヴァ〉に付きものなディスコやハウスに向き合っている。同郷シカゴの大御所DJであるテリー・ハンターとR・ケリーを迎えたシカゴ・ハウス・オマージュ“It's Your World”はその象徴と言えるし、ファレル作のブギーなアップ群や、ディスクロージャーに次いで注目すべきUKのゴーゴン・シティ作のハウス“I Still Love You”など、グルーヴィーな4つ打ちで伸びやかに歌う様が本作のハイライトだろう。そして、彼女自身に訪れた悲劇にも向き合いうめくスロウ“Moan”で終幕。人生の紆余曲折を背負う姿も、ある種の正しいディーヴァ像、か。