バークレー時代からの盟友となる中村亮(ドラムス)、白石才三(ギター)とのトリオでMARTERが発表した今年のもう一作。吉村勇作らの演奏も交え、ジャズやレゲエにも根差したアコースティック・ソウル集という趣で、なかでも“Boogie On Reggae Woman”のカヴァーがワンダーな出来映えだ。
BudaMunkに5lack、ISSUGIのトリオが初作から2年を経て再集結……かと思いきや、既発曲のリミックスに“空がクライ”“OKINA”などの新曲を加えた体裁は煙に巻くようではある。が、Buda自身や16FLIP、ジョー・スタイルズ、クライシスら豪華な顔ぶれの手捌きには納得させられる。
彼らが4年ぶりのオリジナル作を出したことは文字通りの収穫じゃないだろうか。Shing02や七尾旅人、KGE the shadowman、PAPA U-GEEといったゲストの人選にも各々の意味が用意されている。大半を手掛けるMitsuの仕事はもちろん、grooveman Spotのプロデュース参加にも注目したい。
解散~再結成を経てようやく投下された5年ぶり5枚目のオリジナル・アルバム。その間にはコラボ集『joints』や「へうげもの」企画、ライヴ盤、ベスト盤のリリースが相次いでいたわけだが、柔軟かつ闊達にグルーヴを紡ぎ出すポテンシャルの高さは彼らならでは。深く聴き込みたい大作だ。
今年はタブー音源のミックスCDも出しているgrooveman Spotは、いつものペースで自身のインスト・アルバムもリリース。とはいえジャジーなダウンテンポも繰り出しつつ、ヒップホップのファットな部分を強く意識したと思われるサウンドの鳴りは、原点回帰云々ではない現代の漆黒!
コンビとしては約1年ぶりとなるニュー・アルバム。ジョーの粗挽きヴォイスがブーンバップ再考の先を行くタフなビートとラフな化学反応を繰り返す様は、表題やジャケが示す通りソウルの細道を探求する姿を投影したかのよう。ジョーのビートメイカーとしての手腕や、ILL SUGIの抜擢にも注目だ。