ボン・ジョヴィ初期3作品のデラックス・エディションが登場!

 40周年という節目でオリジナル・アルバム『Forever』を発表し、ファン投票によって選曲された日本独自ベスト盤『All Time Best 1984-2024』も登場、さらにジョンとピットブルとのコラボ、ジョンの愛息ジェイクの結婚……とさまざまな話題に沸いた2024年のボン・ジョヴィだが、41年目に入っても熱狂はまだまだ終わらない。今年もやってきた日本記念日協会認定の〈ボン・ジョヴィの日〉である5月21日に、バンド初期3タイトルがそれぞれ日本独自のデラックス・エディションとして届けられたのだ。これはもう、ティーンエイジャーの夢狩人たち5人のハーモニーが水晶の如くはじけ跳ぶ!!

 なお、初作『Bon Jovi』(84年)と3作目『Slippery When Wet』(86年)については昨年US盤のデラックス・エディションも出ていたが、今回の日本盤はそれらを上回る独自仕様。しかも2作目『7800° Fahrenheit』(85年)に関しては現時点でUS主導のデラックス盤は出ていない状態だ。日本盤はいずれも高音質盤SHM-CDの2枚組にレア曲やライヴ音源など独自のボーナス・トラックを満載して資料性も時代の空気も見事にパッケージ。7インチサイズの紙ジャケ仕様で、当時の日本盤シングルのジャケットのレプリカなどが封入される。初回生産限定盤につき、Now Or Neverでチェックしておきたい!

左から、ボン・ジョヴィの2024年作『Forever』(Island)、日本独自ベスト盤『All Time Best 1984-2024』(ユニバーサル)

 

BON JOVI 『夜明けのランナウェイ<デラックス・エディション>』 ユニバーサル(2025)

 ジョン・ボン・ジョヴィがスタジオ・ミュージシャンたち(現メンバーのヒュー・マクドナルドを含む)と録音した“Runaway”の評判をきっかけに、リッチー・サンボラ(ギター)、デヴィッド・ブライアン(キーボード)、ティコ・トーレス(ドラムス)、アレック・ジョン・サッチ(ベース)を正式メンバーに迎えて仕上げられたパワー・ステーション録音のファースト・アルバム。同スタジオのトニー・ボンジオヴィ&ランス・クインが制作にあたり、全体的には鋭角的なメロディーを備えたシンプルなハード・ロックという印象。バンド史上で唯一メンバーがペンを交えていないセカンド・シングル“She Don’t Know Me”はフェア・ウォーニングが先に発表していたことでも知られる佳曲だ。“Roulette”や“Burning For Love”など早くも名コンビとなったジョンとリッチーの共作ナンバーを中心にしつつ、デヴィッドとジョンの共作が目立つのもこの時期ならでは。後の著名フレーズを用いていたのもおもしろい“Shot Through The Heart”はジョンとジャック・ポンティの共作となる。

 今回の日本独自デラックス・エディションのDisc-2では、最初期のデモも含む“Runaway”の4ヴァージョン、さらに“Come Back”の〈Reference Vocal Version〉など昨年のUSデラックス盤で公開されていた秘蔵音源を押さえつつ、ライヴ音源は日本独自にコンパイル! キッスの前座として渡英した84年10月11日にイプスウィッチ・ゴーモン・シアターでBBCの「Friday Rock Show」用に録られた2曲もいいが、やはり重要なのは初来日となった84年8月の〈SUPER ROCK ’84 IN JAPAN〉にて録音された“Runaway”と“Breakout”の2曲だろう。明らかに未完成ながらも若々しい勢いを感じさせる好演だ。

 

BON JOVI 『7800°ファーレンハイト<デラックス・エディション>』 ユニバーサル(2025)

 岩(ロック)をも溶かす華氏7,800度という意味で名付けられたセカンド・アルバム。当時のセールス的には不発に終わり、続投したランス・クインのプロデュース手法へのメンバーの不満もあって、彼らのキャリア上もっとも見過ごされている一枚と言えるだろうが、それもこの後の爆発が大きすぎるからこそ。何より、前年の初来日を受けて書かれた“Tokyo Road”は日本のファンに宛てた私信のようなものであって、本作に格別の思いを抱く人も多いことだろう。サウンド的には初作よりギラついた雰囲気でグラム・メタル的な側面を強調しつつ80年代っぽいシンセの主張も強く、ジョンとデヴィッド共作の“Only Lonely”、キャッチーな“In And Out Of Love”がシングル・カット。後のブルーカラーへの眼差しを窺わせる“The Hardest Part Is The Night”、ティコを含む4名で共作した“Secret Dreams”などの存在も興味深い。なお、“The Price Of Love”が88年になってTV番組「日立 世界・ふしぎ発見!」のEDテーマに起用されたことから日本独自にシングル・カットされている。

 デラックス盤ではDisc-1のラストに“We Rule The Night”を追加収録。これは2004年のボックスセット『100,000,000 Bon Jovi Fans Can’t Be Wrong... The Premiere Collection』が初出となる蔵出し曲で、パワフルなシャウトを備えたハード・エッジなカッコ良さは本編収録曲にも勝る。Disc-2にはこのアルバムを引っ提げて行われた初の単独来日ツアーから、4月28日の渋谷公会堂でのパフォーマンスをほぼ丸ごと11曲収録。うち4曲は初作のUSデラックス盤に収録されていたものだが、こちらに移されたことで、バラバラに世に出ていた同日のライヴの模様を“Tokyo Road”で始まる一本の流れで楽しむことができる。

 

BON JOVI 『ワイルド・イン・ザ・ストリーツ<デラックス・エディション>』 ユニバーサル(2025)

 初めて全米No.1を獲得し、本国だけで1200万枚以上のセールスを上げた世界的ブレイク作となるサード・アルバムだ。ブルース・フェアバーンがプロデュース、ボブ・ロックがミックスという陣容を整えてメインストリーム志向を強め、ヒットを意識して外部ソングライターのデズモンド・チャイルドを初めて起用。彼を交えて共作した4曲のうち、問答無用の“You Give Love A Bad Name”と“Livin’ On A Prayer”が全米1位に輝いた。ジョン&リッチーの作では、アウトロー人気の高い“Wanted Dead Or Alive”もシングル・カットされ、他にもグッとくるエンディング感に溢れた“Never Say Goodbye”などの人気曲が硬軟自在にひしめいている。

 日本盤ならではのオリジナルジャケが使われているのは言わずもがな。今回のデラックス・エディションは昨年のUSデラックス盤以上に追加音源を充実させ、まずDisc-1には7曲のレア音源がボーナス収録。シングルB面曲の“Borderline”はジョン&デヴィッドによる前作っぽいハード路線で、同じくB面曲の“Edge Of A Broken Heart”はデズモンド共作ならではの劇的な人気曲。『100,000,000 Bon Jovi Fans Can’t Be Wrong... The Premiere Collection』が初出の“Out Of Bounds”、同ボックスにこっそり収録されていた“Livin’ On A Prayer”のデモ(セパレートでの音源化は初?)も濃厚な聴きどころだ。さらにDisc-2にはライヴ音源がまとめられ、絶頂期の87年3〜11月にシンシナティやデトロイト、ナッソーで行われた公演から計6曲、さらには93年に英ミルトン・キーンズ、本国のマイアミやタンパで録音された計5曲が収録。93年のほうはアレックを含む5人編成での最後期のパフォーマンスだということになるのか。