大好きなデヴィッド・リンチに捧げるコーナーも! ヴィンテージ・ライヴ〈マダム・クルーナー〉

 エレクトロニックなサウンドと戦前のジャズやシャンソンをブレンドして、ファンタジックな歌を聞かせるコシミハル。彼女が10年以上続けてきたヴィンテージ・ライヴ、〈マダム・クルーナー〉の最新作〈Germination〉が7月4日に上演される。そもそも〈マダム・クルーナー〉とはどういうものなのか。改めて紹介してもらおう。

 「『Frou-Frou』というアルバムで、戦前のビッグバンド・サウンドをコンピュータでシミュレートしたんです。その時に自分がクルーナー唱法が好きだということがわかって、それでクルーナー唱法に焦点を当てたライヴを始めました。カヴァーする曲はビバップ以前のジャズやシャンソン。ビッグバンドで演奏したら原曲と同じになってしまうので小編成に置き換えて歌っています」

 今回もカヴァー曲にコシのオリジナル曲を織り交ぜた選曲になるようだが、注目したいのは先日亡くなったデヴィッド・リンチに捧げたコーナーがあることだ。

 「リンチはコシが大好きな映画監督なんです。『エレファントマン』からずっと観ていて『ツインピークス』のロケ地を観に行ったりもしました。リンチの映画って写真の連続のような気がするんです。そして、そこに付いている音や音楽が重要なんですよ。リンチはいろんな音楽を聴いているらしく、映画からマダム・クルーナー時代の音楽が聞こえてくるので、ライヴではそういった曲を取り上げようと思っています」

 さらにリンチが歌声に惚れ込んでサントラに起用したシンガー、ジュリー・クルーズの曲も歌う予定だとか。クルーズの浮遊感のある歌声を、コシがどう解釈するのか楽しみだ。そして、〈マダム・クルーナー〉には欠かせない〈小さなダンス〉も見どころのひとつ。

 「子供の頃からダンスが大好きで曲を聴いたら自然に体が動いていました。ここ数年、フレッド・アステアに憧れてタップダンスの練習をしているんですけど、全然できてないのに楽しいんですよ。脳が活性化するような気がして。今回、少しだけタップも披露します。すごく楽しいけど、すぐに忘れてしまう。そんな気軽な感じのコンサートになれば良いかな、と思ってます」

 ヴィンテージでありながら、洗練されたモダンな歌とダンスが楽しめる〈マダム・クルーナー〉。そこでは古いヨーロッパ映画のなかに迷い込んだような素敵なショウが楽しめるはずだ。

 


LIVE INFORMATION
ヴィンテージライブ第12弾『マダム・クルーナー12 “Germination”』

2025年7月4日(金)東京・四谷区民ホール
開場/開演:18:00/18:30

■出演
コシミハル(ヴォーカル/アコーディオン/グロッケンシュピール/ヴォコーダー)/フェビアン・レザ・パネ(ピアノ)/渡辺等(ベース)/今堀恒雄(ギター)/則武諒(ドラムス)

https://columbia.jp/artist-info/koshimiharu/live/90321.html