叶った夢と叶っていない夢
1999年12月18日にロサンゼルスのウィルターン・シアターで開催された〈E.YAZAWA Millennium America Tour〉の取材も印象深いものとなった。ウィルターン・シアターはアールデコ調の美しい建物で、キャパ約2,000人のホールである。このロスでのライブは矢沢にとって初のアメリカ公演で、翌日の12月19日にはサンフランシスコ、22日にはホノルルでの公演が予定されていた。
矢沢はソロデビュー当時からアメリカを意識していたミュージシャンである。1stアルバム『I LOVE YOU,OK』もロサンゼルスのA&Mスタジオでレコーディングした作品だった。7枚目のアルバム『YAZAWA』 と10枚目のアルバム『YAZAWA It’s Just Rock’n Roll』は海外リリース作品、15枚目のアルバム『FLASH IN JAPAN』はアメリカ限定で発売された。矢沢にとって、アメリカ進出は長年の大きな目標だったのだ。
海外を意識して、世界の一流ミュージシャン、プロデューサーたちとともに楽曲を作ることによって、矢沢の音楽性はさらに豊かなものになった。「あの時にアメリカに行かなかったら、今の矢沢はいない」と、1990年代以降のインタビューで矢沢は何度も語っている。矢沢がイメージしたような形での〈成功〉ではなかったかもしれないが、アメリカで活動を展開したことは、彼に多くの恩恵をもたらした。
そのアメリカでの初公演となるのが、このウィルターン・シアターなのだから、特別な感慨があったに違いない。当時は、今のようにインターネットが発達していない時代である。ライブ告知は現地のタウン誌などに限定し、日本での告知は一切しなかった。日本でアメリカ公演の情報を広めると、日本から多くの日本人が詰めかけることが予想されたからだ。矢沢が望んだのは、現地に住んでいる日本人や日系人にライブを観てもらうことだった。その狙い通り、満員となった観客の多くは日本人や日系人だった。アメリカを拠点としたこともあり、アメリカのミュージシャンや音楽関係者も多く詰めかけた。
リハーサルは決して順調とは言えなかった。音響スタッフはアメリカのPAシステムのバランスを取るのに、悪戦苦闘していたのだ。だが、矢沢はどっしりと構えていた。
「慣れない環境の中で、スタッフはみんな最善を尽くしてくれています。彼らを信頼しているし、問題はない。重要なのはそこではない。もっとも大切なのはエモーションですよ」と矢沢は語る。楽屋では、ソファーに手を置いてこんな発言。
「楽屋のソファーも日本とは違うよね。日本のホールって、区役所って感じの匂いがするじゃない? でもここはマフィアが経営してそうな感じだよね。香水をぶっかけたような匂いがする。緊張しているかって? してますよ。たかだか2,000人でしょ。それなのに、5万人くらいのところでやるような気がしている。まったく、冗談じゃないよね」
そう言いながらも、矢沢の表情は楽しげだった。本番では、日本で行っているのと変わらないセットリストで、集中力あふれるステージを展開した。アメリカでの初公演に感激、感動しながらも、しっかり味わうように歌っていた。リハーサル中に矢沢が語っていた言葉通り、とてもエモーショナルなライブとなったのだ。矢沢にとっては、長年の夢が叶った日であると同時に、かつて抱いていた夢が違う形で実現したことを実感した日になったに違いない。
表現すべきものが絶対にあると信じている
矢沢を取材した時のエピソードは尽きない。そして、インタビューで矢沢が語った言葉は、どれもキラキラとした輝きを放っていた。2000年代に入ってからも、幸運なことに、いくつかのメディアで、矢沢への取材を行う機会があった。最後にまとめとして、その輝く言葉をいくつか紹介しよう。
31枚目のアルバム『ROCK‘N’ROLL』リリース時の2009年7月に行った楽天Infoseekサイトでのインタビューでの、矢沢の言葉は今も胸に響いている。
「僕の場合は、つらい時にはいつも自分に暗示をかけるの。『俺ひとりじゃないから』って。『多分みんな、大なり小なり俺と同じように探したり、あがいたりしてるんだよな』と思う。そうしたら少し楽になるわけ。音楽の魅力もそこにあるんじゃないかな。音楽を聴いていて、『同じだな、自分ひとりじゃないんだな』って感じられる瞬間があるじゃない?」
2000年代に入ってからの取材で、何度か〈引退〉について聞いたことがある。2012年に行った「別冊カドカワ Premium 総力特集 矢沢永吉」の巻頭インタビューで、矢沢はこう語った。
「もうそろそろいいんじゃないの?って思った時は何度もありました。そういうのを何度か経て、最近、答えが出た。歌えるかぎり、歌い続けるって。歌えるというのは声がきちんと出るということ。それと、客にアプローチをかけるしなやかな動きができなきゃいけない。その条件をクリアーするためにはボーッとしてられない。ほっといたら、退化するだけなんだから、ボイストレーニングもやり続けなきゃいけない。声って正直だから、しばらく出さずにいたら、全然出なくなる。それが怖いから、声を出していかないと、気が済まなくなるんですよ」
また、その5年前、2007年の「ぴあ」の取材で〈矢沢永吉に100の質問〉というテーマで行ったインタビューで、〈矢沢さんにとっての〈トラベリン・バス〉の終着駅は?〉という質問に対しては、こんな答えが返ってきた。
「自分が表現できるものがあるうちは歌い続けたいんですよ。もういいやと思うことはないと信じている。絶対に何かあると信じていますね」
最新作のアルバムタイトルは『I believe』。矢沢永吉がこんなにも長きにわたって、音楽シーンの最前線で活動できた原動力とは、自分の可能性を信じ、信念を持ち続けて、前人未踏の地を進んできた結果にほかならない。矢沢が自身を信じることができているのは、過去に多くの困難を乗り越え、現在も全力で音楽と向き合っているからだろう。自分を信じることは、失敗を恐れないこと、傷つくことを恐れない勇気を持つことと同義である。愛と勇気と希望がたっぷり染みこんでいるからこそ、矢沢の歌声は人々の胸を揺さぶり続けているのだ。
RELEASE INFORMATION
リリース日:2025年9月24日(水)
配信リンク:https://eikichiyazawa.lnk.to/I_believe
特設サイト:https://e-yazawa-ibelieve.com/
■初回限定盤TYPE-A(CD+DVD+フォトブック)
品番:UMCK-7281
価格:8,800円(税込)
■初回限定盤TYPE-A(CD+Blu-ray+フォトブック)
品番:UMCK-7282
価格:9,900円(税込)
フォトブック:〈「FIGHT ON」EIKICHI YAZAWA CONCERT TOUR 2024〉日本武道館公演ライブ写真
トールケース仕様、ジャケット収納ケース付
■初回限定盤TYPE-B(CD+DVD)
品番:UMCK-7284
価格:5,500円(税込)
■初回限定盤TYPE-B(CD+Blu-ray)
品番:UMCK-7283
価格:6,600円(税込)
ジャケット収納ケース付
■通常盤(CD)
品番:UMCK-1801
価格:4,000円(税込)
TRACKLIST ※全形態共通
CD
1. ウソがホントになるゲーム
2. 誰のため
3. 氷のくちづけ
4. あれから十年
5. 自由の風
6. 月光の夜
7. オール アイ ウォント
8. You’re the one, only one
9. 真実
10. 降りやまない
11. 遠い恋人
DVD/Blu-ray(初回限定盤TYPE-A)
「FIGHT ON」EIKICHI YAZAWA CONCERT TOUR 2024
DIGEST 2024.12.14 日本武道館
1. 魅惑のメイク
2. JEALOUSY
3. YOKOHAMA二十才まえ
4. 安物の時計
5. But No
6. 翼を広げて
7. あ・い・つ
8. ワン・ナイト・ショー
9. TAKE IT TIME
10. YOU
11. 時間よ止まれ
12. 親友
13. ファンキー・モンキー・ベイビー
14. サイコーなRock You!
15. 背中ごしのI LOVE YOU
16. トラベリン・バス
DVD/Blu-ray(初回限定盤TYPE-B)
Recording Documentary
“真実” Music Video
■CD購入特典
TOWER RECORDS:クリアファイル(A4サイズ)
※特典の絵柄は改めて発表いたします
※特典は商品と一緒にお渡しいたします
※特典は先着のため、無くなり次第、配布は終了になります。お早めのご予約・ご購入をおすすめいたします
※お取扱いのない店舗・オンラインショップもございます。詳しくはご購入ご希望の店舗へお問い合わせください
※一部オンラインショップでは特典付き商品のカートがございます。特典をご希望のお客様は詳細をご確認の上、特典付き商品をお買い求めください
※オリジナル特典対象店舗はその他一般店共通特典対象外になります
LIVE INFORMATION
EIKICHI YAZAWA LIVE in TOKYO DOME「Do It! YAZAWA 2025」
2025年11月8日(土)・9日(日)東京ドーム ※SOLD OUT
矢沢永吉 公式サイト:https://www.eikichiyazawa.com/
EIKICHI YAZAWA CONCERT TOUR「DO It! YAZAWA 2025」
2025年11月14日(金)北海道・北海道立総合体育センター(北海きたえーる)
2025年11月15日(土)北海道・北海道立総合体育センター(北海きたえーる)
2025年11月22日(土)福岡・マリンメッセ福岡 A館
2025年11月23日(日)福岡・マリンメッセ福岡 A館
2025年11月29日(土)大阪・大阪城ホール
2025年11月30日(日)大阪・大阪城ホール
2025年12月03日(水)愛知・Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場)ホールA
2025年12月04日(木)愛知・Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場)ホールA
2025年12月10日(水)東京・日本武道館
2025年12月12日(金)東京・日本武道館
2025年12月13日(土)東京・日本武道館
2025年12月19日(金)神奈川・ぴあアリーナMM
2025年12月20日(土)神奈川・ぴあアリーナMM
ツアー特設サイト:https://www.eikichiyazawa.com/feature/doit_arena
INFORMATION
EIKICHI YAZAWA LIVE in TOKYO DOME「Do It! YAZAWA 2025」
オンライン配信/放送/ライブビューイング/カラオケビューイング
■オンライン配信
生配信日時:2025年11月8日(土)17:00〜
アーカイブ配信:公演終了後~2025年11月16日(日)23:59
配信プラットフォーム:PIA LIVE STREAM、U-NEXT、Hulu、ABEMA、Rakuten TV、ニコニコ生放送
配信視聴チケット料金(税込):4,400円
販売期間:2025年9月19日(金)18:00〜2025年11月16日(日)21:00
■放送(CS日テレプラス/スカパー!)
生中継配信:2025年11月8日(土)17:00
アーカイブ配信:公演終了後〜2025年11月16日(日)23:59
日テレプラス特別版:2025年12月28日(日)18:10
チャンネル:CS日テレプラス/スカパー!番組配信
視聴料金(税込):月額1,529円(税込)〜
■映画館/ライブビューイング
日時:2025年11月8日(土)17:00
会場:全国各地の映画館(上映館は近日発表)
料金(税込/全席指定):一般4,400円/18歳未満3,300円
一般発売(先着):2025年10月18日(土)10:00~2025年11月6日(木)23:59(オンライン販売:チケットぴあ)
上映映画館販売:
オンライン(先着):2025年11月8日(土)0:00〜
映画館窓口(先着):2025年11月8日(土)各映画館オープン時時間より販売開始
■カラオケビューイング
生配信:2025年11月8日(土)17:00
アーカイブ配信:2025年11月12日(水)12:00~2025年11月16日(日)23:59
プラットフォーム:みるハコ
視聴チケット(税込):3,000円
※カラオケルーム料金は含まれておりません(チケット料金とは別に、店頭でお帰りの際お支払ください)
※チケット料金は3歳以上有料になります
販売期間:2025年9月19日(金)18:00〜2025年11月16日(日)21:00
LIVE in TOKYO DOME〈Do It! YAZAWA 2025〉配信情報特設サイト:https://streaming-eikichiyazawa.com
矢沢永吉ソロデビュー50周年記念!
タワーレコード オンライン限定、謹製スマホサイズステッカー(NO MUSIC, NO LIFE.絵柄)プレゼント!
タワーレコード オンラインにて矢沢永吉の特典付き商品のご購入で、謹製スマホサイズステッカー(NO MUSIC, NO LIFE.絵柄)を先着でプレゼントいたします。
先着:スマホサイズステッカー(NO MUSIC, NO LIFE.絵柄)
※以下2種のうち1種(ランダム)


対象期間:2025年9月8日(月)~特典がなくなり次第終了
※オンラインからの店舗取り置きでの購入は対象外となります
対象商品:矢沢永吉 旧譜CD/映像作品/書籍/グッズ(一部タイトルのぞく)
※2025年9月24日発売『I believe』は特典〈スマホサイズステッカー(NO MUSIC, NO LIFE.絵柄)〉対象外です
※商品ページに特典表記があるタイトルが対象となりますので、ご注意ください
詳細ページ:https://tower.jp/article/feature_item/2025/09/05/0703
〈タワーレコード マーケットプレイス〉矢沢永吉特集 ~世界を揺さぶる、魂のロックンロール~:https://tower.jp/article/feature_item/2025/09/19/tmp001




