昨年デビュー30周年(ソロで20周年)を迎えた邦楽ポップス・シーンのトップ・アーティスト。ラヴ・ソングの名手としても知られる彼が、名曲たちをフルオーケストラをバックに歌うプレミアムな公演が、東京文化会館を皮切りに全国5カ所の大ホールで実現。
「オペラを上演するようなクラシックの殿堂で、あれだけたくさんの楽器に包まれて歌う自分をまだ想像できない。歌い手としてこれ以上の贅沢はないと思う」
演奏は日本フィルなど。山下一史と、全体の音楽監修を手掛ける大友直人が指揮を務めることでも話題に。「先日も大友さんと打合せしたけど、指揮者って何であんなにカッコイイんだろうね(笑)、憧れるなぁ」
《TRUE LOVE》や《Another 0rion》といった90年代を代表する大ヒット・バラードから、50歳の節目にリリースしたアルバム『Life is Beautiful』からのブルース曲や軽快なナンバー、〈伊勢神宮式年遷宮〉イメージソングで昨年の〈奉祝演奏会〉で読売交響楽団がオーケストラ版を演奏した《鎮守の里》など、華やかなキャリアの軌跡を彩るかのような選曲を予定。藤井フミヤの代表曲に加え、長年のファンには嬉しいサプライズ曲のオーケストラ・ヴァージョンに大いに期待したい。
「なるべく皆さんが知っている曲をいっぱい入れたい。あとは主催者側からのリクエストもあって、しっとり系だけじゃなく、アップテンポのものなどアレンジで意外性が感じられる曲も面白いんじゃないかということでいろいろ考えている。今回自分の曲をオーケストラ作品として楽譜に残せるのも、三つ星シェフのレシピを貰うような感じで凄く嬉しい」
デビュー以来、日本の音楽シーンの最前線で活躍し、ソングライターとしても時代を超えて聴き継がれる数々の名曲を世に送り出してきた。「この30年で音楽の聴かれ方も大きく変化して、今では同じ部屋の中で家族がそれぞれ違う音楽をイヤホンで聴いているような状況なのは、スピーカー世代としてちょっと寂しい気もする。また現代はマニアックな楽曲もネットで検索して聴けたり、欲しいと思ったらすぐダウンロードできて、誰もがスマホのような小さな端末で世界中の音楽と繋がっている、昔なら考えもつかなかった夢のような世界でもある。だからこそシンガーとしてのこれからの生きる道は、観客をいかに集めてライヴで歌の魅力を伝えることができるかにかかっていると思う。これからも、言葉と旋律が深く結びついたラヴ・ソングを作って歌い続けたい。愛を教えるのにラヴ・ソングに優るものはそうないと思うから」
生のオーケストラが初めての人からコアなクラシック・ファンまで幅広い層が集まる公演になりそうだ。
billboard classics「FUMIYA FUJII PREMIUM SYMPHONIC CONCERT 2014」
○4/30(水)東京文化会館大ホール
○5/2(金)横浜みなとみらいホール大ホール
○5/7(水)8(木)福岡シンフォニーホール
○5/18(日)愛知県芸術劇場大ホール
○6/4(水)5(木)兵庫県立芸術文化センター大ホール
指揮:大友直人(西宮公演)、山下一史(東京、横浜、名古屋、福岡公演)
管弦楽:日本フィルハーモニー交響楽団(東京・横浜・名古屋公演)
九州交響楽団(福岡公演)、日本センチュリー交響楽団(西宮公演)
音楽監修:大友直人 編曲者:山下康介他