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〈Legend Has It...〉シリーズの最終弾はナズ × DJプレミアの待望作!!

NAS, DJ PREMIER 『Light-Years』 Mass Appeal(2025)

 もともとヒップホップの文化的側面を重視し、その美意識の下で歴史的な部分の衆知も図ってきたマス・アピールだけに、カルチャーを象徴する最重要アーティストたちの新作を送り出した〈Legend Has It...〉シリーズは非常に意義深いものとなった。2025年を通じてスリック・リック、レイクォン、ゴーストフェイス・キラー、モブ・ディープ、ビッグL、デ・ラ・ソウルといったレジェンドたちのニュー・アルバムが次々に送り出されたことは、個々のアーティストが抱えたシチュエーションも相まって大きな出来事だったと思う。が、シリーズ第7弾にして最終章となったナズとDJプレミアの『Light-Years』にはそれ以上の感慨を抱いた人も多いのではないか。史上最高のMCと史上最高のビートメイカーたる両者のフル・コラボレーションは、いまも現役バリバリの彼らがもっと若い頃からずっと待たれていた作品なのだ。

 もともとナズの名盤『Illmatic』(94年)収録の“N.Y. State Of Mind”で組んだ両者は、その後も決定的な“Nas Is Like”(99年)などを定期的に生み出し、ついにナズがタッグ作品の制作を明かしたのが2006年のこと。その後も計画についてのコメントが浮かんでは消え、その間にプレミアは盟友グールーと組んだギャング・スターの活動が終了(なお、マス・アピールのレーベル名もギャング・スターの“Mass Appeal”に由来するものだろう)。以降のプレミアは何度か1MC+1ビートメイカーのガチンコ作品に挑んでおり、なかでもロイス・ダ・5’9”と組んだプライムは2枚のアルバムという大きな成果を残すに至った。『Light-Years』はプレミアにとってもそれ以来の大型コラボ作となるわけで、30年間にわたるレガシーとケミストリーがここには刻み込まれているのだ。ビリー・ジョエルの同名曲を用いた話題曲“N.Y. State Of Mind Pt. 3”をはじめ、唯一のゲストとしてAZを迎えているのにもグッとくる。説明不要な究極×至高のコラボを体感していただきたい。

ナズの近作を紹介。
左から、2022年作『King's Disease III』、2023年作『Magic 2』(共にMass Appeal)