ビースティ・ボーイズの名盤『To The 5 Boroughs』が再臨!
MCAことアダム・ヤウクが2012年にこの世を去って、ビースティ・ボーイズが活動を終了してから10年以上の時が経った。結果的に最後のアルバムとなった『Hot Sauce Committee Part Two』(2011年)の完成後にもレコーディングが行われていたことは知られており、当初はマイクDとアドロックも何かしらの活動を続けていく考えはあったようだが、最終的には2014年になって今後ビースティ・ボーイズとしての活動が行われないことが改めて明言されている。2018年には二人による回顧録「Beastie Boys Book」が出版され、それを元にしたスパイク・ジョーンズ監督のドキュメンタリー「ビースティ・ボーイズ・ストーリー」も2020年に公開。同作のサウンドトラック的な意味合いも添えて新たなベスト盤『Beastie Boys Music』もコンパイルされ、それ以降のグループとしての動きはない。
そんな折に、2004年にリリースされた彼らの名作『To The 5 Boroughs』の〈デラックス・エディション〉が2CDもしくは3LPのフィジカル盤として登場した。だいたいの20周年記念盤という感覚で捉えることもできるが、改めて聴いてみると3MCのフレッシュさに強く惹きつけられるし、時代やトレンドが何周もしたこともあってかサウンドも古びて感じられない。それでも、昨今こうしたテイストの作品に出会えないことを思えば懐かしくなる往年のリスナーは多いだろうし、なんなら本作自体がもともと表現として内包する懐かしさも相まって、二重構造のノスタルジーを感じる人もいるのではないだろうか。この『To The 5 Boroughs』は、NYの5地区(マンハッタン/ブロンクス/ブルックリン/クイーンズ/スタッテンアイランド)を意味するタイトルやジャケに描かれた街並みからもわかるように、齢を重ねた彼らが故郷のNYに改めて眼差しを注いだアルバムであった。
