DISCOGRAPHIC MAVIS STAPLES
メイヴィスを知るための20枚
ヴィー・ジェイ時代を中心とする初期も改めてボックスなどでまとめてほしいものだが……いろんな編集盤があるなか、ここでは63年作『Swing Low Sweet Chariot』と59年の編集盤『Uncloudy Day』のセットにボートラを満載した本作を推薦。メイヴィスがそこまでメインじゃない時代ならではのハーモニーとプリミティヴな演奏が味わえる。

エピック時代のアルバム6タイトルを3 CDにパッケージしたボックス。バッファロー・スプリングフィールドを取り上げた当時の代表曲“For What It’s Worth”や〈セルマの行進〉を受けた“Freedom Highway”、公民権運動のアンセム“We Shall Overcome”などが並びつつ、徐々に世俗のソウルに接近していく様子も窺える。
グループで前年にスタックスと契約したのに続き、系列のヴォルトから発表した初のソロ・アルバム。グループとの差別化もあってか、オーティスやエディ・フロイドらのカヴァーを中心にスティーヴ・クロッパーとアル・ベルが直球のスタックス・サウンドで仕立てている。
デトロイトのドン・デイヴィスがプロデュースを務め、エディ・ヒントンらマッスル・ショールズの演奏陣も参加した2作目。前作以上に多面的なムードが表現され、アレサら同時代のトップを追うような雰囲気もある。この後グループがブレイクしてソロ活動はしばらく途絶えることに。
初めてマッスル・ショールズで録音されたスタックスでの3作目。シングル“Heavy Makes You Happy (Sha-Na-Boom Boom)”などがスマッシュ・ヒットして初のソウル・チャートTOP 10入りも果たしている。兄のパーヴィスと姉のイヴォンヌが交代した三姉妹体制もここから。
全米1位を記録した“I’ll Take You There”と“Respect Yourself”の2大名曲を収めたグループの代名詞的な一枚。“We The People”など社会意識の高い楽曲たちが親しみやすいサウンドで楽しく表現されている。マッスル・ショールズ勢の開放的なアレンジも光る一作だ。
ソウル・チャート首位を獲得した“If You’re Ready (Come Go With Me)”や“Touch A Hand, Make A Friend”など前作の成功式を踏襲した快作。ホーマー・バンクスやベティ・クラッチャーら社内ライターの好曲が揃う一方、ビル・ウィザーズ“Grandma’s Hands”も披露。
スタックス崩壊に伴ってカーティス・メイフィールドのレーベルとリンクし、コメディ映画「シドニー・ポワチエ/一発大逆転」のサントラという形で作り上げた一枚。起死回生の全米No.1を記録した表題曲は、カヴァーやサンプリング人気を通じて90年代以降に定番化していった。
前作のヒットを受けてワーナーと契約しての第1弾アルバム。イメージ転換の意図もあってか簡素にステイプルズと改名し、カーティスのプロデュースによってディスコ前夜の都会的なソウルを聴かせる。洒脱なグルーヴに沿う抑え気味の歌唱でもメイヴィスの振る舞いは重厚だ。
カートムに残したサントラ『A Piece Of The Action』(77年)に続くソロ4作目。グループの前年作『Unlock Your Mind』同様にジェリー・ウェクスラー&バリー・ベケットの制作でマッスル・ショールズ録音を行いつつ、ディスコ時代のモードにも目配せした佳曲集だ。








