ソフィア・コッポラ監督『マリー・アントワネット』のスコアでも知られるアメリカ人ピアニスト/作曲家、Dustin O’Halloranと、アンビエント/ドローンを代表するユニットStars of the LidのAdam Wiltzieよるプロジェクト、A Winged Victory For The Sullenの「この世でもっとも美しいアンビエント」と評されたファースト・アルバムより3年の時を経て、普遍的な美しさと今である必然性を兼ね備えた傑作セカンド・アルバムを創り上げた。Olafur ArnaldsやNils Frahm(彼らのファーストにも参加している)といったシーンを代表するアーティストの重要作品を発表して来たErased Tapes Recordsからのリリースとなる。
本作は英国ロイヤルバレエの専任振付師であるWayne McGregorからの依頼で彼の最新作 『Atomos』のスコアとして制作されたもの。元々この両者を引き合わせたというFrancesco Donadelloと共にブリュッセル、ベルリン、レイキャビックのスタジオでレコーディングが行われた。Dustin O’Halloranの生み出すシンプルながら美しい旋律と深い叙情性、Adam WiltzieのStars of the Lidでも聴かせてくれた巧みなアンビエント/ドローンの手法。ピアノ、弦楽、ギターなどの生楽器とエレクトロニクスやシンセサイザーを融合させたサウンドスケープ。それぞれの音楽性が噛み合う事で、彼らにしか出せない非常に映像を喚起させる、慎ましくも美しい独創的な音楽が生み出されている。
尚、国内流通盤にはボーナストラックとしてBen Frost(10月に初来日が決定)によるリミックスなど2曲のダウンロード・コードが付いており、こちらも要注目だ。また、本作と同日にポスト・クラシカルシーンで絶大な支持を集めて来た米国の6人組Balmorheaの2007年自主制作のデビュー盤がマスタリングされて再発。また、来日も果たしたシーン最重要アーティストOlafur ArnaldsとBloodgroupのJanus Rasmussenによるエレクトロニック・ユニットKiasmosのデビューアルバムの発売が10月26日に決定しており、どちらも見逃せない。