ノルウェーの鍵盤奏者、〈足踏みオルガン〉のイノヴェイターことシグビョルン・アーペランを招いたライヴ+トーク・イヴェントが7月24日(金)に西麻布のKREI SALONで開催される。

この企画は、「WIRED」日本版の監修で昨年リリースされたコンピレーション・アルバム『The Art of Listening』が提示した〈音楽の新しいイノヴェイション〉を現場でリアルに体感するイヴェント・シリーズ〈The Art of Listening LIVE!〉の第2弾。ちなみに、7月3日に開催された第1弾には先頃来日した元バトルスタイヨンダイ・ブラクストンが出演し、モジュラー・シンセの実演も交えたレクチャーを披露した(参考記事:タイヨンダイ・ブラクストンの6年ぶり新作は、リズムに力点を置いた踊れるアヴァンギャルド作品!)。

ドイツが誇るジャズの名門ECMからも作品をリリースしているシグビョルン・アーペランだが、その音楽性はジャズと括るにはあまりに特異で、足踏みオルガンを用いた即興演奏から、なんとも名状しがたい浮遊感と神秘性を伴ったサウンドスケープを生み出している。実際に本人も教会音楽や電子音楽など、さまざまな領域の音楽家とコラボレーションを展開。国境/ジャンルの壁を超えて今日的な音響の〈聴き方〉を提示した『The Art of Listening』には、タイヨンダイとシグビョルンの曲がそれぞれ収録されており、さらにニコ・ミューリーワンオートリックス・ポイント・ネヴァーアルカらの曲も違和感なく同居していた。そのことの意味も考えてみながら、意識も遠のきそうな↓の音源に浸ってみるのもよいかもしれない。

 

当日はリードオルガンのソロ演奏も予定されているほか、〈Jazz The New Chapter〉で知られる音楽評論家の柳楽光隆と、「WIRED」日本版編集長の若林恵も交えたトークで、シグビョルンの音楽観に迫るという。定員は限定40名なので、申し込みはお早めにどうぞ(詳細はこちら)。
 


シグビョルンは、ハルモニウムの柔らかい音色やフォーク・ミュージック的なメロディーによるノスタルジアと、ハルモニウムの独特の響きと持続音を駆使して電子音のようにさえ聴かせてしまう革新性とを同居させる奇才だ――柳楽光隆