Photo by Nicholas Albrecht

現代ジャズ・シーン最高峰による実験的コラボレーション

 2006年に『メセニー・メルドー』という作品がノンサッチ・レーベルからリリースされたのですが、圧倒的な人気を誇る最高峰プレーヤーであるパット・メセニーとブラッド・メルドーがデュオでアルバムを作ったとあって、それはもう衝撃的でした(あれから20年経ったというのも衝撃ですが……)。そして2026年、またもやスゴい二人による究極のデュオ・アルバムをノンサッチがお届けします!

AMBROSE AKINMUSIRE, MARY HALVORSON 『Slo-Mo Neon Luminate Hoverings』 Nonesuch(2026)

 ひとりは現代屈指のジャズ・トランペッターであるアンブローズ・アキンムシーレ、そしてもうひとりはダウンビート誌の批評家投票でここ数年1位に選ばれ続ける比類無きギタリストであり、革新的な音楽を創造し続けているアーティスト、メアリー・ハルヴォーソン!

 すでに長年にわたり共演を重ねていたという現代ジャズ界の至宝たちによる待望のコラボレーション。アキンムシーレの過去作は漏れなく傑作なのですが、レーベル移籍後の2作品はどちらもその年を象徴するアルバムでそれぞれグラミー賞にもノミネートされており、とくに2023年の『Owl Song』はビル・フリゼールを迎えたベースレス・トリオという今作への布石となっているような編成で、美しい旋律を歌い上げるようなプレイが際立っていました。今回はそこからさらなる進化を遂げており、ハルヴォーソンの変幻自在なギターとともに新種の生命体のような音楽が誕生。二人の音楽に共通するミニマル~アンビエントな要素も絶妙に不思議な空気感をもたらしています。たった二人でも期待を裏切らず未知の領域を開拓、王道のジャズから長い旅路を経て辿り着いた最先端のサウンドがここに!

 ちなみにノンサッチのカタログからお気に入りの作品を紹介するという動画のシリーズがあってこの二人も登場しているのですが、短いながらも非常に興味深いのでおすすめです。