過去曲の表情に華やかさやライブ感も加えて
――再録して、意外と表情が変わったなと思う曲を挙げると?
よしだ「“Love begets love”はドラムの音作りにこだわりました。今回は全曲ドラムテックを入れたんですよ」
――今作は本当に録り音が良くて。
よしだ「そうなんですよ! 一番化けたのが“Love begets love”で、スネアの音作りやドラムの細かなフレーズも変えたところが大きいです。聴き比べたら、いい風に変わったんじゃないかな」
Misaki「私もこの曲は再録できて良かったし、改めてすごくいい曲だなと思いました。
ほかの曲を挙げるなら、“ミラコーナイト”もいい意味で変わったなって」
よしだ「ライブで育った感じをそのままパッケージできましたね」
Misaki「最初の弾き語りも一発で録ったから、それもライブ感に繋がっているかもしれません。20周年アレンジでギターソロを華やかに変えたりして。
あと、"DOUNARUNO!?"と“How are you?”もベースのフレーズをガラッと変えました。“How are you?”はアメリカのガレージで少年少女が弾いているような初期衝動のイメージを表現したくて。ドラムも無駄なことはせず、音から聞こえてくるテンション感を大事にしました。攻めた曲になりましたね」
よしだ「そうですね。タムの数を減らしたり、いつも5枚使っているシンバルを2枚だけにしたりと、超シンプルなセッティングにしました」
――その中で1曲目“everyday -YELLOW SUN intro-”はアレンジを大きく変えた楽曲ですよね?
Misaki「この歌詞が20周年にぴったりだから、どうしても入れたかったんです。オリジナルのままだと、1曲目にハマらないから、それに合うようにイントロっぽく仕上げて、この曲だけガラッと変えようって」
よしだ「この曲には13〜15個ぐらい電子音が入っているんですよ。全部違うメロディの音を一斉に流し込みました。ゲームが好きなので、『ロックマン』、『ドラゴンクエスト』、『ファイナルファンタジー』、『クロノ・トリガー』とかの音楽を今でも機材車の中で流したりしてて、そういった少し古いゲーム音楽の雰囲気を取り入れたいと思ったんです」
――キレイにまとまってますよね。あと、バンドと弾き語りの中間みたいなサウンドも面白いなと。
よしだ「打ち込みだけで完結させようと思ったけど、それにドラムをハメたのが良かったのかもしれない。それでバンド感も出たんじゃないかな」
Misaki「始まりの歌とギターは夏に家で録ったものだから、虫の音も入っているんです。それをそのまま採用しました(笑)」
ファンの声援と盟友の演奏に支えられて
――そして、“午走 -umahashiru-”ではSTOMPIN’ BIRDのTOMさんがギターを弾いてます。これもオリジナル超えの出来栄えで。
Misaki「そうですね。この曲は、そこに鳴るの(藤原)美咲ちゃんがベースを弾いてくれているんです。昔、ライブでサポートしてくれたこともあり。で、ギターに関してはゲストがいたら華やかになると思い、お願いするならTOMさんしかいないなって」
――TOMさんらしいロカビリー調のギターがめちゃくちゃ曲にハマってます。
Misaki「そうなんですよ。〈いずれ私が弾けるようにシンプルめにしといたから〉と言われました」
よしだ「今のツアー中にマスターしないと(笑)!」
――“Hey! Sunny!”はファンの声をコーラスに加えてますよね?
Misaki「私がバンドを諦めそうになったときに、お客さんの楽しそうにしている顔が浮かんで、それが救いになりました。地べたと友達になるぐらいに落ち込んでいましたけど……。
その頃に漫画『ONE PIECE』にハマって、仲間と一緒に進んでいく物語に影響を受けたんです。私たちはファンのことを〈サニーちゃん〉や〈サニーズ〉と呼んでいるんですが、『ONE PIECE』にもサニー号が出てくるんですよ(笑)。それをバンドに当てはめて、これだな!って思って書いたのが“Hey! Sunny!”です。
ファンのみんながいるからスペサンを続けられるし、ファンと繋がりのある曲なので、みんなにコーラスしてもらえたらいいなと」
よしだ「あと、この曲は、ギターはそのままで、ベースとドラムは録り直しました」
Misaki「ベースは、スペサンファンです!と昔から愛を伝えてくれるLONGMANのさわちゃんが演奏してくれました。さわちゃんが、私と同じように諦めてしまいそうな時に、この曲を聴いてまだ頑張ろうと思えたと言ってくれて、作って良かったなと思いました」