メジャーデビューを発表したシンガーソングライターのさらさが、初のミックステープEPを8月5日にリリースする。タイトルは彼女が音楽活動をスタートさせた当初から掲げていたテーマでもある『Live Bluesy』(ブルージーに生きろ)だ。
2021年のデビューから揺れや漂う感覚を大事にして詞曲を紡いできたさらさ。プロとして活動していくにあたって、もっと強さが必要だと感じていた時期もあったようだが、最近はよりオープンなマインドで充実した創作及びライブ活動を行なっている。そんな彼女のメジャーデビューにあたっての心境、今また〈Live Bluesy〉という言葉をEPの表題にすることの思いから、新EPに収録された新曲についての話までを聞いた。
前より強くなれたし、いい意味で力が抜けている
――メジャーデビューを控えてどうですか、今の心境は。
「楽しいです。曲も作れているし、歌詞も書けているし。今が一番調子いいなって感じがする。いろんな人が〈プレッシャーを感じすぎずに頑張って〉って言ってくれるんですけど、ないですね、プレッシャー」
――気負うことなくメジャーへ移行できている。
「はい。タイミングが違ったらそう思えなかったかもしれないですけど。『Inner Ocean』(2022年12月リリースの1stアルバム)を出すときのほうがプレッシャーは大きかったです。自分がミュージシャンになると思っていなかったのに、気づいたらスタッフがついて、音楽が仕事になっていた。そこまで才能がないのにあると勘違いされているかも、というプレッシャーがありました。しかもコロナ禍真っ只中だったし」
――『Inner Ocean』のリリース時にインタビューさせていただいた際、パンデミック前と後に書いた曲が混在したアルバムだと話されていました。“ネイルの島”“朝”“踊り”はパンデミック前に書いた曲で、第三者的な視点で自分を見て書いたものだと。それ以外の曲はコロナ禍に入って余裕がなくなり、切羽詰まった状態でドロドロした感情を吐露するように書いたとおっしゃっていて。
「そっか。覚えてなかったです」
――その後はどっちの書き方が多くなりました?
「最初に評価してもらえたコロナ禍以前の曲は、ハイヤーセルフみたいに高いところから自分を見て書いているところがあって、その感覚は今も大事にしています。それが私のアイデンティティとして最初に自覚したところでもあるので。
でもコロナ禍で多面的な視点が持てなくなったとき、知られたくない感情を吐露することでも人と繋がれるという成功体験を持てた。そのふたつともが経験値として自分のなかにあって」
――2024年の2ndアルバム『Golden Child』の頃はどうだったんですか?
「2ndアルバムを作っていた頃は、環境が変化していくことにどう対処していくべきかってところで、自分が強くならないことには進んでいけないなという感覚があったんです。経験がないからわからないという状態のなか、手探りでいろんなことをやっていた。
あと、協力してくれる人がいる分、何事も自分で意思決定して進めていかないとダメだってことを考えていました。人に説明するのって疲れるけど、言わなきゃいけないことって多いじゃないですか。自分を一番理解しているのは自分だし、自分がいいなと思うことは崩せない。でも人の意見も入ってくるから、バランスをとるのが難しくもあって、苦戦していたんです。だから自分の芯をしっかり持たないとなって。自分のなかにある弱さと、獲得しようとしている強さが、2ndアルバムのテーマでもあったんです」
――そういうアルバムを経たことが今に繋がっている。
「そうですね。強さをテーマのひとつとしている時期があったからこそ、そこで得たものや気づけたことがたくさんあった。たぶん前より強くなれたし。あの頃と比較すると、今はいい意味で力が抜けている気もしますね。そうやって少しずつ変化していった自分を前向きに捉えて、そのまま作品を作ろうって気持ちになれている気がします」
