メジャーデビューを発表したシンガーソングライターのさらさが、初のミックステープEPを8月5日にリリースする。タイトルは彼女が音楽活動をスタートさせた当初から掲げていたテーマでもある『Live Bluesy』(ブルージーに生きろ)だ。
2021年のデビューから揺れや漂う感覚を大事にして詞曲を紡いできたさらさ。プロとして活動していくにあたって、もっと強さが必要だと感じていた時期もあったようだが、最近はよりオープンなマインドで充実した創作及びライブ活動を行なっている。そんな彼女のメジャーデビューにあたっての心境、今また〈Live Bluesy〉という言葉をEPの表題にすることの思いから、新EPに収録された新曲についての話までを聞いた。
前より強くなれたし、いい意味で力が抜けている
――メジャーデビューを控えてどうですか、今の心境は。
「楽しいです。曲も作れているし、歌詞も書けているし。今が一番調子いいなって感じがする。いろんな人が〈プレッシャーを感じすぎずに頑張って〉って言ってくれるんですけど、ないですね、プレッシャー」
――気負うことなくメジャーへ移行できている。
「はい。タイミングが違ったらそう思えなかったかもしれないですけど。『Inner Ocean』(2022年12月リリースの1stアルバム)を出すときのほうがプレッシャーは大きかったです。自分がミュージシャンになると思っていなかったのに、気づいたらスタッフがついて、音楽が仕事になっていた。そこまで才能がないのにあると勘違いされているかも、というプレッシャーがありました。しかもコロナ禍真っ只中だったし」
――『Inner Ocean』のリリース時にインタビューさせていただいた際、パンデミック前と後に書いた曲が混在したアルバムだと話されていました。“ネイルの島”“朝”“踊り”はパンデミック前に書いた曲で、第三者的な視点で自分を見て書いたものだと。それ以外の曲はコロナ禍に入って余裕がなくなり、切羽詰まった状態でドロドロした感情を吐露するように書いたとおっしゃっていて。
「そっか。覚えてなかったです」
――その後はどっちの書き方が多くなりました?
「最初に評価してもらえたコロナ禍以前の曲は、ハイヤーセルフみたいに高いところから自分を見て書いているところがあって、その感覚は今も大事にしています。それが私のアイデンティティとして最初に自覚したところでもあるので。
でもコロナ禍で多面的な視点が持てなくなったとき、知られたくない感情を吐露することでも人と繋がれるという成功体験を持てた。そのふたつともが経験値として自分のなかにあって」
――2024年の2ndアルバム『Golden Child』の頃はどうだったんですか?
「2ndアルバムを作っていた頃は、環境が変化していくことにどう対処していくべきかってところで、自分が強くならないことには進んでいけないなという感覚があったんです。経験がないからわからないという状態のなか、手探りでいろんなことをやっていた。
あと、協力してくれる人がいる分、何事も自分で意思決定して進めていかないとダメだってことを考えていました。人に説明するのって疲れるけど、言わなきゃいけないことって多いじゃないですか。自分を一番理解しているのは自分だし、自分がいいなと思うことは崩せない。でも人の意見も入ってくるから、バランスをとるのが難しくもあって、苦戦していたんです。だから自分の芯をしっかり持たないとなって。自分のなかにある弱さと、獲得しようとしている強さが、2ndアルバムのテーマでもあったんです」
――そういうアルバムを経たことが今に繋がっている。
「そうですね。強さをテーマのひとつとしている時期があったからこそ、そこで得たものや気づけたことがたくさんあった。たぶん前より強くなれたし。あの頃と比較すると、今はいい意味で力が抜けている気もしますね。そうやって少しずつ変化していった自分を前向きに捉えて、そのまま作品を作ろうって気持ちになれている気がします」

自分のなかに新しい風が吹くかも
――そういうタイミングでメジャーに行けたのはよかったですね。初めからメジャーの世界に放り込まれていたら、渦に呑まれて自分を見失っていたかもしれない。
「そう思います。初めはASTERI ENTERTAINMENT(レーベル)にお世話になっていたんですけど、私以外は作家としての活動もされている方ばかりだったんです。アーティスト活動だけをしていて、しかも女性というのは、私だけで。だから異質だったし、歌詞や曲についても衣装やアートワークに関しても何かを言われることがなかったんです。
そこで4年ちょっと自分なりにやったからこそ、もっと人の意見やアイデアが欲しいなと思うようになれた。もし最初からいろんな人が意見を言ってくる場所だったら〈うるせえ〉って思ったと思うんですけど(笑)、自分と仲間たちだけで手探りで活動したからこそ、何が足りてないのかもわかってきて。自分が経験していないことを経験している人の意見をもっと聞きたいなと思ったとき、初めて新しい場所を探そうと思えたというか」
――自分から新しい場所を探そうと思って動いたわけですね。
「そうです。新しい場所というか、新しい人。この人の言うことは面白いな、一緒に仕事したいなと思える人と出会えないかなって。だからメジャーデビューしたいってことではなかったんです」
――たまたまそういう人がいたのがメジャーのエピックだった。
「場所を変えようと思ってから2年ぐらいの間にほかのレーベルの方ともお話しさせてもらって、時間がかかったんですけど、最終的にエピックとご一緒できることになった。話していて、自分のなかに新しい風が吹くかもって思えたんです。エピックと一緒にやることになって実は1年くらい経つんですけど、それまでと比べるといろんな人の意見をすごくオープンに聞くことができるようになったなって思います」
ネガティブな感情、ブルージーな感覚こそ大事にしたい
――さらささんは初期から〈Live Bluesy/ブルージーに生きろ〉をテーマとしてやってきましたよね。これまでに50回くらい聞かれていると思いますが(笑)、このテーマがどのようにして出てきたのか、どうしてそれを掲げているのかを改めて説明してもらえますか? というのも、今回のEPのタイトルも『Live Bluesy』なので。
「はい。ゆっきゅんというアイドルがいるじゃないですか。今は普通に友達なんですけど、私が高校生のときからゆっきゅんのことが気になっていて。その頃にインテグレートという化粧品のCMで〈ラブリーに生きろ〉というキャッチコピーがあって、ゆっきゅんがTwitter(現X)に〈自分だったらギルティに生きろだな〉という投稿をしていたんです。それを見たときに、私だったら〈ブルージーに生きろ〉かなと。
そのときはまだ音楽活動をしていなかったし、将来何になるかも考えていなかったんですけど、そう思ってInstagramのプロフィールに〈ブルージーに生きろ〉って書いてみたんですよ。それがしっくりきたというか。それでグッズにも〈Live Bluesy〉って英語で入れてみたりしているうちに、みんなが〈さらさと言えば〉みたいに捉えてくれるようになって。じゃあ、その言葉をテーマとしてやっていこうと」
――なるほど。
「もともと私は明るい性格じゃなくて、子供の頃から神経質で、繊細で、ネガティブな感情が自分のなかで大きかったんです。落ち込みやすいし、心配性だし……そういう自分が嫌だったんですね。でも19、20歳ぐらいになって振り返ってみたとき、いつもネガティブなことを起点にして物事が好転したり、落ち込んでいるときに誰かと出会って、その人が助けてくれてそれまでと違う人生になったことばっかりだったなって気づいて。
例えば私は小学校も行ったり行かなかったりだったし、中1のときも半分くらい不登校で、親が見かねて私立に転校させてくれたんです。そこで出会ったのがいい先生で、学校に通えるようになり、中高一貫だったので高校では軽音楽部に入って歌を始めることになった。人ってネガティブな状態が続くと場所を変えようとするものだし、変化させようという力が働くと思うんです。で、そういうときこそ前進できるんだなと思って。
もちろん今でもネガティブな気持ちになることがあるけど、〈これが転機となっていい方向に進めるかも〉って思えばいいんじゃないかなと。ネガティブをネガティブなまま肯定できれば次に進めるし、自分が魅力的だなって思う人も傷ついてきた過去があってそれに向き合って進んできたんだなとわかるから。そういう人にこそ私には光があるように見える。なので、ネガティブな感情、ブルージーな感覚こそ大事にしたいという気持ちがずっとあるんです」
――そうしたところから〈Live Bluesy〉というテーマを掲げて4年以上活動されてきたわけですが、それを新しいEPのタイトルにつけたということは、当時と変わらずそうした気持ちを強く持ち続けているということ?
「そうですね。前に比べたら生きるのも少しは楽になっている気がするけど、ネガティブな感情ってやっぱりあるし、そこは変わらないなと思っていて。10代の頃から明るい音楽、明るい表現が好きじゃなかったから、そのアンチテーゼとして私は〈Live Bluesy〉と言いたい、っていうのもあるかも」

BONNIE PINKやUA、90s女性R&Bシンガーに憧れて
――『Golden Child』のことを振り返ってお聞きしたいんですが、あれを聴いてすぐに感じたのが、90年代のフィメールR&Bを今に引き継いだようなアルバムだなということで。ということをXでもつぶやいたんですけど。
「私、〈いいね〉してご返信したのを覚えてます。リリース日に聴いてそれを感じてくれた人がいることが嬉しかったので」
――自分はあの時代の女性シンガーの取材を当時頻繁にしていて、ああいったシーンや音楽に特別な思い入れがあるので、『Golden Child』を聴いたとき嬉しかったんですよ。あの時代のジャパニーズR&Bを受け継いだアルバムをさらささんが作ってくれた!って。
「めっちゃ嬉しい」
――さらささんの年齢からすると、もちろん後追いでしょうけど、どのようにしてあの時代の音楽を聴くようになったんですか?
「私は1998年生まれなんですけど、ああいう日本のR&Bポップはちょうど1998年前後から2001年にかけてが黄金期じゃないですか。なのでお母さんがUAさんとかCharaさんの有名曲をクルマでかけていて。好きになったきっかけはそこだったと思います。
それから何年も経って自分が音楽をやるようになってから、女性アーティストの音楽をよく聴くようになって、そのなかであの年代のR&B系女性シンガーって輝いているなって思って。楽曲もスタイリングもそうだし、カルチャーとしても確立している印象を持ったんです。なので、それの今バージョン、再解釈バージョンができないかなっていうのを、2ndアルバムの方向性として持って」
――2ndアルバムの制作に入る前によく聴き直していたわけですね。
「そうです。自分のこれからを考えていた時期でもあったので、なりたいアーティスト像がここにあるかもって気づけたというか」
――特にどの人が好きなんですか?
「UAさん、Charaさん、BONNIE PINKさんをよく聴くんですけど。BONNIE PINKさんのアルバム『Heaven’s Kitchen』が大好きで、表題曲の“Heaven’s Kitchen”を私は〈全て〉って呼んでいるくらい。あの曲が全てだと思っているんです」
――おおっ、そうなんですね?! デビューから今に至るまでBONNIEの活動を追いかけている自分としては、この話だけであと1時間したいくらい(笑)。
「あはは。でもホント、あの曲は完璧。歌詞がすごすぎますね。歌詞もサウンドも極みって感じがして。BONNIEさんは憧れです。UAさんも大好きで、昨日は久しぶりに“数え足りない夜の足音”を聴いていました。UAさんの歌詞はすごく独特で、UA節って感じがする」
――90年代デビューの日本の女性R&Bシンガーたち……BONNIEにしてもUAにしてもR&Bテイストの曲は一部ですけど、さらささんはそうしたアーティストたちのどういうところに惹かれるんですか?
「歌詞がすごいっていうのも大きいですけど、まずサウンドに惹かれます。当時のディーバと呼ばれる人たちって、プロデューサーが作るサウンドと歌の掛け合わせで成功されている方が多いじゃないですか。
しかもそのサウンドが決してオーバーグラウンドなものではない。ニッチな音楽好きもかっこいいと思えるサウンドでありながら、みんなが知っているヒット曲がある。あのバランス感は理想的だと思うんです。私は自分が好きなサウンドでいいポップスを作りたいという目標があるので、当時の女性シンガーたちのそういうバランス感にものすごく惹かれます。あのシンガーとプロデューサー/アレンジャーのハマリ具合は素晴らしいなと」
――当時ならUAと朝本浩文さんとか、birdと大沢伸一さんとか、BONNIEとトーレ・ヨハンソンとか。そのように新しいものを一緒に作っていくんだという意識を持った相手が見つけられたシンガーは幸福だったと思います。
「すごいことですよね。その偶発性にも魅力を感じる。そこへの憧れもあるかな」
――そういう意味では、西田修大さんとさらささんの相性がめっちゃいいなと思ったりもします。
「ほんとですか? 2ndアルバムで2曲ご一緒して、すごくやりやすかったですね。勉強になることも多くて。例えば“祝福”だったら、ギターを一回カセットテープで録って、それをPCに入れ直して、〈だからこういう音になっているんだよ〉って教えてくれたり。カセットを使ってくれるってところにも曲に対する解釈の一致があったし、人柄も素晴らしくて、本当にいい経験でした」
――西田さんはそれこそ今のUAのバンドのリーダーだし、BONNIEの3年前のアルバム『infinity』でも2曲アレンジを手掛けている。
「そうですよね。〈BONNIEさん、最近誰とやっているのかな〉〈UAさんは誰とやっているのかな〉っていうところから、私は西田さんに辿り着いたんです。あと中村佳穂さんも好きでチェックしていたので、この人がやっているんだ?!っていうのもあって。大忙しな方ですけど、ぜひまたご一緒したいなと思っています」

女性性も自分の表現のひとつだと思えるようになった
――2025年にはシングルを2曲リリースしました。“青い太陽”と“Thinking of You”。とりわけ“Thinking of You”は初めてJ-WAVEでかかったのを聴いたときに〈きたーっ!〉って思って。耳残り度が高い会心の曲だなと感じていたら、年末には桑田佳祐さんがラジオ番組で2025年の邦楽1位に選んでいた。あの曲は2ndアルバムの方向性を引き継いでもいながら、より外に開かれたものでしたよね。過去曲よりもメロディの強度を感じたんですが、意識したところはあったんですか?
「ありました。デモはもっとゆっくりしたテンポの弾き語りだったんですけど、それをいつも一緒にやっているKota Matsukawaに投げたら、キーを上げて速くしたデモが返ってきて。〈めっちゃいいね。こっちでいこう!〉ってなってからは、いかに開かれた感じにできるかを突き詰めながらアレンジしていったんです。ストリングスとかピアノとか、それぞれのミュージシャンにいろいろやってもらって、(初期の)UAさんの曲みたいなドラムの感じを探って。ドラムの音を決めるだけでも1ヵ月くらいかかりましたね」
――外に開かれた曲でありながら、ボーカル表現と歌詞には官能性が潜んでいる。それを女性性と言い換えることもできるけど。
「自分のなかに予めあるものかもしれないですね。以前は女性らしさを前に出すことをそんなにしたくなかったんです。いかにも女性らしいアーティストより、ステレオタイプの逆を行く人のほうが好きだし、衣装はたまにワンピースとかスカートだったりするけど私服はほとんどパンツだったりボーイッシュなほうが好きだし。
だけど自分のなかの女性性みたいなものをもう少し打ち出そうと思ったことがあって、そうして作ったのが“火をつけて”だった。あの曲くらいから自分のなかにあるフェミニンさに自覚的になったというか、それも自分の表現のひとつとしてあっていいなと思うようになった気がします」
――現在の日本のポップシーンにおいて、さらささんはそうした女性性、官能性がかなり歌に滲み出るシンガーだと思います。
「嬉しいです。官能性って言葉を使ってくださいましたけど、すごくわかる。可愛いっていうより、ちょっと妖しさがある人や表現が好きだし。“青い太陽”もそっちに寄った歌い方を意識しているんです。そういう感じは確かに自分のなかにあると思いますね」
――そして今年1月にはバラード曲“YOU”をリリース。バラードは今までもありましたけど、ここまで真正面から美メロバラードに向き合ったんだという驚きと新鮮さを感じました。
「いろんな人と一緒にやってみたい時期だったので、もともと友達だったESME MORIくんと曲を作って、最終的にKota Matsukawaに入ってもらって整えたんです。確かに今までにない曲になったなという感触がありましたね。さらさらしさはちゃんと入れられたのかなって不安もあったんですけど、ライブでやっていくうちにすごくしっくりきて、今は本当にいい曲になったなって思えています」
新曲もリミックスも収めた実験的なパッケージ
――さて、『Live Bluesy』についてお聞きしますが、そもそも〈ミックステープEP〉という打ち出し方はどういうところから?
「最初にエピックからミックステープEPにしないかというアイデアをいただいて、ミッステープの定義ってなんだっけ?みたいな(笑)」
――そこを聞きたい(笑)。
「もともとYouTube用に撮ったカバー動画があって、それこそ自分にとって全てであるBONNIE PINKさんの“Heaven’s Kitchen”と井上陽水さんの“傘がない”のカバーなんですけど、それも入れようという話で。カバーがあって、最近のオリジナル曲があって、新曲があって、リミックスがあってという実験的なパッケージにしようとして、そういう意味でミックステープって言葉を使ったんだと思うんです。でも私としてはカバーは入れなくていいと思ったので外したんですね。
とはいえミックステープEPというふうにすることで、いろんなことを試せる場になるんじゃないかという気がしたし、そういうシリーズがあってもいいんじゃないかな、みたいな考えもあって」

より自由になって、グラデーションが増えた
――新曲は2曲で、“風になる”と“KAMINARI”。“風になる”はいつ作ったんですか?
「今年の3月に相模原で制作合宿をしたんです。新しいトレーラーハウスみたいなスタジオで、そこに10人近く来たのかな。Kota Matsukawa らw.a.uのメンバーが5人と、ヒップホップのプロデューサーのuinと、キーボーディストのKashiwa Taroと……。1週間のうちに代わる代わる人が来て、ふたつある部屋の片方で誰かがビートを作って、もう片方の部屋で私がトップラインを考えて録音していく感じで。
6泊7日で13曲作ったんですけど、最初の日に作ったのが“風になる”なんです。初めにw.a.uのドラマーのRyuju Tanoueがビートを作って、そこに何人か来て一緒にやって。そんな感じでできた曲」
――さらささんにしては明るい曲ですよね。
「そうですね。まずアップテンポの曲を書いてみたいと思ったんですよ。私の曲って“ネイルの島”に始まり(リズムを)刻んでるトップラインが多かったので、もうちょっと大きくてメロディアスなトップラインを書いてみたいと話していたんです。あと、前向きな曲を書きたい気持ちもありました。といっても、頑張ろうぜ!みたいな曲ではないんですけど」
――〈帰りたい〉って歌ですもんね。
「そう。早く帰りたいっていう。仕事が終わって名古屋から新幹線に乗って帰って来るときに、早く家に着かないかなって思って、その気持ちをメモしておいたんです」
――とはいえ、早く自分の部屋に帰りたいではなく、〈君の待つ場所〉に帰りたいと歌っている。
「今までの私の歌には特定の誰かが出てこなかったんですよ。意識的に避けていたから。でも去年くらいから誰かが出てくる曲も書いてみようかなと思い始めて。
こうやって〈君〉って書いたり、明るい曲を歌ってみたり、そういう意味でも最近は自由になってきてますね。グラデーションが増えた感覚です」
――〈口癖が移ること ふたりだけの出来事〉というフレーズがとてもいい。
「好きな人の口癖ってうつるじゃないですか。それが可愛いなって」
――明るい曲を歌うにあたって歌唱面で意識したところはありました?
「〈もっと明るく歌える?〉って5回くらい言われたんです。どうやって明るく歌えばいいんだろう? 明るく歌ってるつもりなんだけどな、みたいな。5段階分は明るくなったはずだけど、たぶんまだ標準の明るさに達してない(笑)。そこ、課題ですね」
音楽ってやめるやめないじゃない、カラダに流れているもの
――2曲目は“KAMINARI”。これも制作合宿で作った曲ですか?
「そうです。鍵盤をKashiwa Taroが弾いてくれて。最初はシティポップっぽくなりそうなアレンジだったんですけど、結局どこにも属さない曲になったかなと。私としては、トップラインはメロディが大きくて歌謡曲っぽくしたかったんです」
――シャーデーっぽさもありますよね。シャーデー的なR&Bに歌謡の要素を合わせたシャーデー歌謡、みたいな。
「シャーデー、好きですね。高校で軽音部に入ったときに聴いて、これだ!と思った。声の低い人に憧れていたんです。シャーデーとか、(松尾)レミさんとか」
――因みにご自身の歌声は好きですか?
「いやぁ、めっちゃ好きって感じではないです。もっと低い声で歌えないかなってずっと思っていました。さすがに最近は受け入れていますけど、思ったより高いなって思います。低い声の人に憧れがあるので、もっと低く響かせられないかなって思いますね」
――“KAMINARI”の話に戻すと、コーラスワークがまたいいですね。こんなにコーラスが立ったさらささんの曲は珍しい気がする。
「今までなかったです。どういうコーラスを入れようかってアイデアを出し合って、ソウル・トレインふうのコーラス大喜利になって(笑)。コーラスの歌詞もみんなで考えて、一番ダサいやつを入れよう!と」
――〈♪I got you, baby just you and me〉ですね。
「そう。いい意味でダサさを追求したコーラスライン」
――とはいえ、ここがこの曲の核心部分だったりもしますよね。
「そうですね。すごく気に入ってます。このコーラスは高校の後輩のDesire(Nealy)というドラマーと、お世話になっているボイトレの先生のMegさんにやってもらいました。この曲は女性賛歌、女性への応援歌みたいなところもあるので、自分と縁の深い女性ふたりにやってもらいたかったんです」
――〈この体 流れている 愛のリズムだけは奪えない〉というフレーズも強くていい。
「それが一番言いたいことだったんです。音楽を一回やめた時期があるんですけど、音楽ってやめるやめないじゃないんだな、リズムというのは鼓動とか血液と同じようにカラダのなかに流れているものなんだなって、そのときに気づいて。それをテーマに書いてみようと」

形にしておけばいつか誰かに届く
――この新曲2曲と“Thinking of you”YOU”青い太陽”、さらに“Thinking of you”と“YOU”のリミックスを収録した作品になりますが、このEPがどう届くと嬉しいですか?
「こうして形にしておいたら、必要な人の必要なときに届くだろうと信じているので、出せて嬉しいって感じ。今すぐ聴いてもらわなくてもいいんです。プロモーション的には初速が大事ですけど、私だって自分が生まれた頃の曲を大人になって聴いて影響されているし、形にしておけばいつか誰かに届くんじゃないかなと思えるので。まだ生まれてない子が何年か経ってこの作品を手にするかもしれないし、そうなったらめっちゃ嬉しい」
――20年後にデビューした子が、「子供の頃に親のクルマで流れていたさらささんの曲を聴いたのがきっかけで歌手になりました」とインタビューで答える、みたいなことだってありえますからね。
「そんなの泣いちゃう。それが一番嬉しいかもしれないです」
INFORMATION
さらさ〈未来ノ和モノ -JAPANESE FUTURE GROOVE-〉第30弾 キャンペーン

①〈未来ノ和モノ〉コラボポスター掲出
掲出店舗:全国のタワーレコードおよびTOWER RECORDS mini
※TOWER RECORDS mini もりのみやキューズモール店、TOWER RECORDS mini 舞浜イクスピアリ店を除く
掲出期間:2026年8月4日(火)~2026年8月17日(月)
②〈Mikiki〉インタビュー
タワーレコードの音楽ガイドメディア〈Mikiki〉にてさらさのインタビュー(当記事)を掲載。
③抽選でさらさ〈未来ノ和モノ〉コラボポスターをプレゼント
さらさ『Live Bluesy』をタワーレコードおよびTOWER RECORDS mini全店、タワーレコード オンラインにてご購入いただいた方に〈未来ノ和モノ〉コラボポスターが抽選で当たる応募抽選付ポストカードを先着で差し上げます。
応募期間:2026年8月4日(火)~2026年8月17日(月)23:59
※PC・スマートフォンからのご応募が必須です
※ご応募にはタワーレコードメンバーズへの登録およびレシート番号の入力が必要です
④限定ストアプレイ放送
タワーレコード限定のさらさのストアプレイを放送します。
掲出店舗:全国のタワーレコードおよびTOWER RECORDS mini
※TOWER RECORDS mini もりのみやキューズモール店、TOWER RECORDS mini 舞浜イクスピアリ店を除く
掲出期間:2026年7月21日(火)~2026年8月10日(月)
※1日の中で放送されるタイミングは各店によって異なります
⑤タワーレコード渋谷店大型看板設置
タワーレコード渋谷店にて限定の大型看板を設置します。
掲出店舗:タワーレコード渋谷店3F 催事スペース
掲出期間:2026年8月4日(火)~2026年8月9日(日)
■対象作品
アーティスト:さらさ
タイトル:Live Bluesy
発売日:2026年8月5日(水)
価格:6,600円(税込)
品番:ESCL-6271
レーベル:ソニー・ミュージックレーベルズ
〈未来ノ和モノ -JAPANESE FUTURE GROOVE-〉とは
日本国内で活躍し、海外でも注目を集めているアーティストをタワーレコードのバイヤーが厳選してフックアップしていく企画。タワーレコード店頭でのコーナー設置はもちろん、撮り下ろしポスターの掲出など、リアル店舗ならではのアプローチを展開中。
コンセプト
そのサウンドは、機能性を損なわずに時代を超越する。そのサウンドは、新たな機能性を見出だされ時代を超越する。20年後、30年後、世界中の音楽ディガーに発見され、興奮し、語り継がれる日本の音楽。フロアを揺らす音楽。決して消費される事のない音楽。音楽はタイムマシン。盤は回り、そのサウンドは未来へと繋がっていく。
タワーレコード オンライン〈未来ノ和モノ〉特集ページ:https://tower.jp/site/series/mirainowamono
RELEASE INFORMATION
■CD+Blu-ray Disc+ステッカー<完全生産限定盤>

リリース日:2026年8月5日(水)
品番:ESCL-6271
価格:6,600円(税込)
TRACKLIST
CD
1. 風になる
2. KAMINARI
3. Thinking of You
4. YOU
5. 青い太陽
6. Thinking of You (MURO’s KG Remix)
7. Thinking of You (uin Remix)
8. YOU (Stones Taro Remix)
Blu-ray
「Thinking of You Tour 2025」
1. Thinking of You
2. 太陽が昇るまで
3. 祈り
4. Roulette
5. 温度
6. ネイルの島
7. feel down
8. 青い太陽
9. 午後の光
10. グレーゾーン
11. 予感
12. Virgo
13. 祝福
14. 朝
15. リズム
16. Shakunetsu
17. 退屈
18. Amber
<アンコール>
19. 朝
20. 船
PROFILE: さらさ
湘南出身のシンガーソングライター。ソウル、R&B、ロックなど、さまざまなジャンルを内包した楽曲や憂いを帯びた歌声で注目を浴びている。2021年7月にデビューシングル“ネイルの島”をリリースし、本格的に活動を開始。デビューからわずか1年で〈FUJI ROCK FESTIVAL ’22〉出演を果たし、2022年12月には1stアルバム『Inner Ocean』をリリースした。その後〈GREENROOM FESTIVAL〉〈朝霧JAM〉〈岩壁音楽祭〉、台湾の〈LUCFest〉や韓国の〈ASIA SONG FESTIVAL〉など、国内外の大型フェスに多数出演。音楽活動だけに留まらず、美術作家、アパレルブランドのバイヤー、フラダンサーなどマルチに活動を展開している。
