生演奏を軸にしたオーセンティックなR&Bを志向しながら、前作以上に深くメロウネスとグルーヴを掘り下げたセカンド・フル・アルバム。かつてのソウルクエリアンズあたりを彷彿とさせる、音数を絞り込んでディープに潜航するトラックと、そこから浮かび上がるスモーキーな歌唱が結託して醸造する色艶がたまらない。スライ・ストーンばりのファンクを鳴らす“リズム”に特徴的な歌謡曲めいたタッチも、シティな要素を求める向きもさらうポピュラリティーをアルバムに寄与している。揺らぐ音像がサイケデリアを現出させるクロージング・ナンバー“船”も凄い。盤石にして新たなポテンシャルも示唆した充実作。