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女性性も自分の表現のひとつだと思えるようになった

――2025年にはシングルを2曲リリースしました。“青い太陽”と“Thinking of You”。とりわけ“Thinking of You”は初めてJ-WAVEでかかったのを聴いたときに〈きたーっ!〉って思って。耳残り度が高い会心の曲だなと感じていたら、年末には桑田佳祐さんがラジオ番組で2025年の邦楽1位に選んでいた。あの曲は2ndアルバムの方向性を引き継いでもいながら、より外に開かれたものでしたよね。過去曲よりもメロディの強度を感じたんですが、意識したところはあったんですか?

「ありました。デモはもっとゆっくりしたテンポの弾き語りだったんですけど、それをいつも一緒にやっているKota Matsukawaに投げたら、キーを上げて速くしたデモが返ってきて。〈めっちゃいいね。こっちでいこう!〉ってなってからは、いかに開かれた感じにできるかを突き詰めながらアレンジしていったんです。ストリングスとかピアノとか、それぞれのミュージシャンにいろいろやってもらって、(初期の)UAさんの曲みたいなドラムの感じを探って。ドラムの音を決めるだけでも1ヵ月くらいかかりましたね」

――外に開かれた曲でありながら、ボーカル表現と歌詞には官能性が潜んでいる。それを女性性と言い換えることもできるけど。

「自分のなかに予めあるものかもしれないですね。以前は女性らしさを前に出すことをそんなにしたくなかったんです。いかにも女性らしいアーティストより、ステレオタイプの逆を行く人のほうが好きだし、衣装はたまにワンピースとかスカートだったりするけど私服はほとんどパンツだったりボーイッシュなほうが好きだし。

だけど自分のなかの女性性みたいなものをもう少し打ち出そうと思ったことがあって、そうして作ったのが“火をつけて”だった。あの曲くらいから自分のなかにあるフェミニンさに自覚的になったというか、それも自分の表現のひとつとしてあっていいなと思うようになった気がします」

――現在の日本のポップシーンにおいて、さらささんはそうした女性性、官能性がかなり歌に滲み出るシンガーだと思います。

「嬉しいです。官能性って言葉を使ってくださいましたけど、すごくわかる。可愛いっていうより、ちょっと妖しさがある人や表現が好きだし。“青い太陽”もそっちに寄った歌い方を意識しているんです。そういう感じは確かに自分のなかにあると思いますね」

――そして今年1月にはバラード曲“YOU”をリリース。バラードは今までもありましたけど、ここまで真正面から美メロバラードに向き合ったんだという驚きと新鮮さを感じました。

「いろんな人と一緒にやってみたい時期だったので、もともと友達だったESME MORIくんと曲を作って、最終的にKota Matsukawaに入ってもらって整えたんです。確かに今までにない曲になったなという感触がありましたね。さらさらしさはちゃんと入れられたのかなって不安もあったんですけど、ライブでやっていくうちにすごくしっくりきて、今は本当にいい曲になったなって思えています」

 

新曲もリミックスも収めた実験的なパッケージ

――さて、『Live Bluesy』についてお聞きしますが、そもそも〈ミックステープEP〉という打ち出し方はどういうところから?

「最初にエピックからミックステープEPにしないかというアイデアをいただいて、ミッステープの定義ってなんだっけ?みたいな(笑)」

――そこを聞きたい(笑)。

「もともとYouTube用に撮ったカバー動画があって、それこそ自分にとって全てであるBONNIE PINKさんの“Heaven’s Kitchen”と井上陽水さんの“傘がない”のカバーなんですけど、それも入れようという話で。カバーがあって、最近のオリジナル曲があって、新曲があって、リミックスがあってという実験的なパッケージにしようとして、そういう意味でミックステープって言葉を使ったんだと思うんです。でも私としてはカバーは入れなくていいと思ったので外したんですね。

とはいえミックステープEPというふうにすることで、いろんなことを試せる場になるんじゃないかという気がしたし、そういうシリーズがあってもいいんじゃないかな、みたいな考えもあって」