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BONNIE PINKやUA、90s女性R&Bシンガーに憧れて

――『Golden Child』のことを振り返ってお聞きしたいんですが、あれを聴いてすぐに感じたのが、90年代のフィメールR&Bを今に引き継いだようなアルバムだなということで。ということをXでもつぶやいたんですけど。

「私、〈いいね〉してご返信したのを覚えてます。リリース日に聴いてそれを感じてくれた人がいることが嬉しかったので」

――自分はあの時代の女性シンガーの取材を当時頻繁にしていて、ああいったシーンや音楽に特別な思い入れがあるので、『Golden Child』を聴いたとき嬉しかったんですよ。あの時代のジャパニーズR&Bを受け継いだアルバムをさらささんが作ってくれた!って。

「めっちゃ嬉しい」

――さらささんの年齢からすると、もちろん後追いでしょうけど、どのようにしてあの時代の音楽を聴くようになったんですか?

「私は1998年生まれなんですけど、ああいう日本のR&Bポップはちょうど1998年前後から2001年にかけてが黄金期じゃないですか。なのでお母さんがUAさんとかCharaさんの有名曲をクルマでかけていて。好きになったきっかけはそこだったと思います。

それから何年も経って自分が音楽をやるようになってから、女性アーティストの音楽をよく聴くようになって、そのなかであの年代のR&B系女性シンガーって輝いているなって思って。楽曲もスタイリングもそうだし、カルチャーとしても確立している印象を持ったんです。なので、それの今バージョン、再解釈バージョンができないかなっていうのを、2ndアルバムの方向性として持って」

――2ndアルバムの制作に入る前によく聴き直していたわけですね。

「そうです。自分のこれからを考えていた時期でもあったので、なりたいアーティスト像がここにあるかもって気づけたというか」

――特にどの人が好きなんですか?

「UAさん、Charaさん、BONNIE PINKさんをよく聴くんですけど。BONNIE PINKさんのアルバム『Heaven’s Kitchen』が大好きで、表題曲の“Heaven’s Kitchen”を私は〈全て〉って呼んでいるくらい。あの曲が全てだと思っているんです」

――おおっ、そうなんですね?! デビューから今に至るまでBONNIEの活動を追いかけている自分としては、この話だけであと1時間したいくらい(笑)。

「あはは。でもホント、あの曲は完璧。歌詞がすごすぎますね。歌詞もサウンドも極みって感じがして。BONNIEさんは憧れです。UAさんも大好きで、昨日は久しぶりに“数え足りない夜の足音”を聴いていました。UAさんの歌詞はすごく独特で、UA節って感じがする」

――90年代デビューの日本の女性R&Bシンガーたち……BONNIEにしてもUAにしてもR&Bテイストの曲は一部ですけど、さらささんはそうしたアーティストたちのどういうところに惹かれるんですか?

「歌詞がすごいっていうのも大きいですけど、まずサウンドに惹かれます。当時のディーバと呼ばれる人たちって、プロデューサーが作るサウンドと歌の掛け合わせで成功されている方が多いじゃないですか。

しかもそのサウンドが決してオーバーグラウンドなものではない。ニッチな音楽好きもかっこいいと思えるサウンドでありながら、みんなが知っているヒット曲がある。あのバランス感は理想的だと思うんです。私は自分が好きなサウンドでいいポップスを作りたいという目標があるので、当時の女性シンガーたちのそういうバランス感にものすごく惹かれます。あのシンガーとプロデューサー/アレンジャーのハマリ具合は素晴らしいなと」

――当時ならUAと朝本浩文さんとか、birdと大沢伸一さんとか、BONNIEとトーレ・ヨハンソンとか。そのように新しいものを一緒に作っていくんだという意識を持った相手が見つけられたシンガーは幸福だったと思います。

「すごいことですよね。その偶発性にも魅力を感じる。そこへの憧れもあるかな」

――そういう意味では、西田修大さんとさらささんの相性がめっちゃいいなと思ったりもします。

「ほんとですか? 2ndアルバムで2曲ご一緒して、すごくやりやすかったですね。勉強になることも多くて。例えば“祝福”だったら、ギターを一回カセットテープで録って、それをPCに入れ直して、〈だからこういう音になっているんだよ〉って教えてくれたり。カセットを使ってくれるってところにも曲に対する解釈の一致があったし、人柄も素晴らしくて、本当にいい経験でした」

――西田さんはそれこそ今のUAのバンドのリーダーだし、BONNIEの3年前のアルバム『infinity』でも2曲アレンジを手掛けている。

「そうですよね。〈BONNIEさん、最近誰とやっているのかな〉〈UAさんは誰とやっているのかな〉っていうところから、私は西田さんに辿り着いたんです。あと中村佳穂さんも好きでチェックしていたので、この人がやっているんだ?!っていうのもあって。大忙しな方ですけど、ぜひまたご一緒したいなと思っています」