Page 3 / 6 1ページ目から読む

Bialystocks、クアデカ、ザ・ベス……雨と名演を楽しんだフジロック2日目

激しく雨が降り続いている2日目の朝。GREEN STAGEには色とりどりの雨具を羽織った観客たちが詰めかけ、Bialystocksの登場を今か今かと待ちわびている。オートチューンのかかった甫木元空の歌声に引き込まれた“Winter”を1コーラスだけ披露すると、そのまま“一瞬”へ。フェスという非日常にいながら、ありふれた日常の一瞬を切り取った言葉たちがすっと身体に入り込んできたのも束の間、“灯台”では甫木元のソウルフルなハイトーンとそれに寄り添う菊池剛の美しいハモリに会場が一気に沸く。ラストの“Upon You”まで雨は止まなかったが、濡れた木々や地面の匂いも演出かと思うほど、Bialystocksの音楽は苗場の自然の一部となっていた。

Bialystocksが終わり、駆け足でRED MARQUEEへ向かうとクアデカ本人によるサウンドチェックに遭遇。「これはサウンドテスト用ね」とつぶやいて“DANCING WITHOUT MOVING”を1コーラスだけプレイしてくれたが、この時点ですでにいいムードが会場に漂っている。バンドセットによる日本での初ライブのオープニングを飾ったのは“Dark Magic”。強烈なフィードバックノイズをかき鳴らすギターと浮遊感のあるシンセが交差し、さらには生ドラムまでが加わったそのサウンドはポストパンク的な熱を帯びていた。

この日は“Dark Magic”に加え“Hell Of A Time”“Baby Steps”とライブ初披露の楽曲が多く、そういった意味でクアデカ自身も少し肩に力が入っていたように感じた。フォークやラテンなどのエッセンスも内包した彼の特異な音楽は、このフジロックを通過点にまだまだ魅力的なものへ進化していくに違いない。

クアデカ
Photo by Ruriko Inagaki

現在ラテンヒップホップシーンの最前線を走るトレノは、GREEN STAGEの背面に設置されたスクリーンに曲の日本語訳が常に映し出されていて(ステージの左右にある縦長のビジョンにも表示して欲しかった)、彼が故郷ブエノスアイレスで見てきた生々しいリアルが音楽を通して伝えられていく。

トレノ
Photo by Taio Konishi

そんな切実でアップリフティングなトレノのライブの直後に目撃したザ・ベスは、雨上がりの苗場にギターポップの爽やかな風を吹かせていた。最新アルバムのタイトル曲“Straight Line Was A Lie”を筆頭に、世界的には希少種に分類されそうなギターバンドならではのアンサンブルをRED MARQUEEに響かせる。ザ・キュアーを想起させるネオアコ色の強い“Metal”などは、フジロックのための用意されたBGMかと思うほど苗場に馴染んでいた。

ザ・ベス
Photo by Ruriko Inagaki