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クルアンビン、ベースメント・ジャックスらが魅せたフジロックにふさわしいステージ

2度目のフジロックとなったKroiは、前回と同じくWHITE STAGEに登場。バンドはゆったりとしたジャジーなセッションナンバー“Polyester”で一旦場内を落ち着かせたのち、“Juden”で一気にギアをトップへ持っていく。“Method”など濃厚なファンクチューンをオーディエンスに浴びせつつ、“HAZE”のようなスロウな楽曲でも観客を魅了できるのがKroiらしい。この日、ギターの長谷部悠生が足の怪我のため座って演奏していたが(ギターソロなど見せ場となる場面では時折立ち上がっていた)、それでもパフォーマンスの質は一切落ちていなかった。

Kroi
Photo by Masanori Naruse

夕方の苗場は青空も見えてきて、午前中まで激しい雨が降っていたのが信じられないくらい穏やかな気候となった。そんな踊り狂うには最高の環境が整ったベースメント・ジャックスのライブは、日本語の音声アナウンスを用いてGREEN STAGEに集まった観客に挨拶したのち“Good Luck”からスタート。出し惜しみという言葉は彼らの辞書にはないのか、ライブ開始30分を待たずして“Bingo Bango”も“Raindrops”もプレイして会場は早くもお祭り騒ぎに。リアルなゴリラの着ぐるみも登場した“Where’s Your Head At”で大団円を迎えるまでの約1時間、まさにベストオブベストなステージを繰り広げてみせた。

ベースメント・ジャックス
Photo by Taio Konishi

ちょうどこの日(7月25日)、68歳の誕生日を迎えたサーストン・ムーアはサーストン・ムーア・グループ名義でRED MARQUEEに降臨。当然ソニック・ユース時代の曲は演奏しなかったが、相変わらず気だるいオーラを放ち、随所でアンプに近づいてフィードバックを駆使したノイズパートを設けるなど、そのスタイルは時代を超越して不変だ。このあと控えているFujii Kaze(藤井 風)のステージのため途中で離脱したが、RED MARQUEEから遠ざかってもその轟音はずっと聞こえていた。そんなサーストン・ムーアのあとに見たFujii Kazeのライブの模様は速レポでお伝えしたとおり。改めて、この流れでぜひ読み返してみてほしい。

ラインナップが発表された当初は様々な意見が飛び交ったクルアンビンだが、そのパフォーマンスはヘッドライナーとしての強度と質をしっかり兼ね揃えていたと、まずは最初に言い切っておきたい。背後のスクリーンに映し出された巨大な満月をバックに、ライブは“A Calf Born In Winter”で幕を開けた。続く“May Ninth”とあわせてマーク・スピアの歌うようなギターが苗場をやさしく包み込み、“August 10”では赤いドレスを身に纏ったローラ・リーの妖艶なベースプレイを受けて観客たちがゆっくりと身体を揺らす。“Evan Finds The Third Room”ではドラムスのドナルド“DJ”ジョンソンによる正確無比なテンポキープに驚かされたりと、とにかくライブバンドとしての実力を存分に見せつけていた。

クルアンビン
Photo by Jackie Lee Young

終盤に披露されたマーティン・デニー“Firecracker”のカバーは、YMOが生まれた日本ならではの選曲だろうか。最後に「月が綺麗だね」と日本語で語りかけたマークは、なんだか名残惜しそうな表情をしていたが、それだけ満足のいく90分間だったのだろう。繰り返しにはなるが、まぎれもなくクルアンビンはフジロックのヘッドライナーにふさわしいバンドだった。

クルアンビン
​Photo by Jackie Lee Young