(左から)亀井友莉、村岡苑子

ZARUKAMEがバイオリンとチェロで追求する新たな音楽表現

弦楽器の中で最も高い音域を担い、オーケストラでも旋律を先導する花形がバイオリンだとすれば、チェロはその低音でアンサンブルを土台から支え、時には主旋律までもこなす、いわばオールラウンダーな楽器である。本来、この2つの楽器が背負う役割は異なるはずなのに、ポップスやバンドサウンドの中に置かれた途端、両者はストリングスとして一括りにされてしまうことが多い。ZARUKAMEというユニットが面白いのは、その縮小されたポジションを飛び越え、性格の異なる2つの楽器に、歌に匹敵する主役級の旋律を奏でさせている点にある。

ZARUKAMEの亀井友莉(バイオリン)と村岡苑子(チェロ)は、これまでKing Gnu、Vaundy、Mrs. GREEN APPLEといった今のJ-POPシーンを牽引するヒットメーカーたちのライブやレコーディングに参加するなど、それぞれが一流のプレイヤーとして活躍している。そんな2人がこのデュオを組んだときに掲げたのは、バイオリンとチェロの旋律を歌のように捉え、新しい音楽ジャンルを追求していくというものだった。

2023年に1stミニアルバム『Sail On』をリリースしたZARUKAMEは、2025年に村岡の出身地である鳥取県のニュース番組「いろ★ドリ」のテーマ曲“彩り”を書き下ろし、さらに大阪・関西万博の閉幕式にてパフォーマンスも行った。結成から現在まででZARUKAMEが積み上げてきたこうした実績は、2人の野心的な挑戦が着実に聴き手を獲得してきた証でもある。

そして2026年11月5日(木)にはビルボードライブ東京という空間で、その挑戦がどこまで熟成したのかが試されることになる。半田彬倫(ピアノ)、遠山哲朗(ギター)、工藤明(ドラムス)を迎えた今回の公演は、彼女たちの音楽が今ではバンド形式のサウンドでも違和感なく成立することを改めて確かめる、そんな特別なステージとなるに違いない。

 

トリッキーな曲からニュース番組のテーマソングまで、ビルボードライブで聴きたい楽曲

ライブの予習も兼ねつつ、亀井と村岡の挑戦の軌跡を辿る意味でも5曲入りの『Sail On』はぜひチェックしてほしいが、ここでは今回の公演でも披露する可能性が高い3曲を取り上げたい。

最新曲の“この道の先に”を聴いてまず驚いたのは、バイオリンとチェロという主張の強い楽器が同時に鳴っているにもかかわらず、互いがまったくぶつかることなく、見事に調和していたこと。それはまるで歌のように、伸びやかに旋律線が途切れることなく続いていくことで、聴き手であるこちらの呼吸までゆっくりと整っていくような感じがしたのだ。

遠山哲朗のギター、石若駿のドラム、マーティ・ホロベックのベース、兼松衆のピアノ(兼松は編曲も担当)は、バイオリンとチェロが奏でるメロディという声に終始寄り添っていて、この抑制の効いたアンサンブルこそがZARUKAMEというユニットの本質を物語っているように思えた。

今年1月にリリースされた“NEW WORLD”は、テンションが絶えず揺れ動き、次に何が起きるか読めないトリッキーな楽曲で、クラシックとしての品格を保ったままスリリングな高揚感も感じられるナンバーだ。こちらも“この道の先に”と同じ布陣でレコ―ディングされていて、ZARUKAMEが2026年に入り、これまで以上に表現の幅を拡張しようとしていることがわかる。

そして前述した「いろ★ドリ」のテーマ曲“彩り”は、バイオリンとチェロの音色が重なるたび、色彩豊かな景色が目の前に広がるような幸福感に満たされる。夕方のニュース番組のテーマ曲ということで人懐っこい優しいメロディが特徴的で、ライブでは亀井と村岡によるダイナミックなユニゾンにも注目したいところだ。

また、今回の公演にはサックス奏者の上野耕平がゲストとして登場する。村岡の大学時代の同級生でもある上野がZARUKAMEの世界にどんな彩りを加えるのか。終始ステージから目が離せない公演となりそうだ。

上野耕平
©Yuji Ueno

今回のライブではZARUKAMEのオリジナル曲に加えてカバーも披露する予定だという。至近距離で音が重なり合う瞬間を目撃できるビルボードライブで、2人はどんなハーモニーとアンサンブルを響かせるのか。ぜひその目と耳で確かめてほしい。

ZARUKAMEコメント
結成から6年、〈弦楽器の可能性を広げる〉をテーマに、私たち2人で演奏を重ねてきました。
新曲のリリースや全国ツアー、東京でのホール公演を経て、ヴァイオリンとチェロだからこそ生まれる表現や、〈ZARUKAMEらしい音〉が少しずつ形になってきたように感じています。
そして今回、初めてのビルボードライブ東京でのライブでは、バンド編成に加えて、チェリスト・村岡苑子の大学時代の同級生でもあるサックス奏者・上野耕平さんをゲストにお迎えします。 ZARUKAMEサウンドに、上野さんのサックスがどんな景色を描いてくれるのか、私たち自身も今からとても楽しみです。
弦楽器と管楽器、それぞれの音が歌うように重なり合うインストゥルメンタルの世界を、ぜひご一緒に感じて、楽しんでいただけたら嬉しいです。

 


LIVE INFORMATION
ZARUKAME
Billboard Live with special band “Echoes”
Guest:上野耕平

2026年11月5日(木)ビルボードライブ東京
1stステージ
開場/開演:16:30/17:30
2ndステージ
開場/開演:19:30/20:30
https://www.billboard-live.com/tokyo/show?event_id=ev-21621

■チケット料金 ※飲食代金別
DXシート Duo:18,000円(ペア販売)
Duoシート:16,900円(ペア販売)
DXシート カウンター:9,000円
S指定席:7,900円
R指定席:6,800円
カジュアルシート:6,300円(1ドリンク付)

※本公演はClub BBL会員、および一般販売をWEB受付のみ実施いたします
※法人会員は電話にてご予約承ります

■メンバー
亀井友莉(バイオリン)
村岡苑子(チェロ)
半田彬倫(ピアノ)
遠山哲朗(ギター)
工藤明(ドラムス)

■ゲスト
上野耕平(サックス)