ドリーミーでサイケな圧倒的サウンドに心を奪われる最高のコラボレーション
夢のタッグとでも言うべき驚愕もののコラボレーションである。片や、フォークトロニカ以降のチルアウト・ミュージックを奏で、名門ワープからコンスタントに作品を発表してきたBibio。片や、サンダーキャットのアルバムやフライング・ロータスのライヴに参加し、ブレインフィーダーの看板アーティストとなりつつあるドリアン・コンセプト。この両者によるコラボレーションがアルバム『Answers』として結実した。

両者の結節点といえば、アンビエントやドローン、インディー・フォークなどになるだろうが、ふたりの共演は足し算ではなく掛け算となっており、そのような形容の斜め上を行く、創造的で豊穣な曲想を獲得している。ピアノやアコースティック・ギターなどの生楽器とエレクトロニクスがシームレスに混じり合い、さまざまな鳴り物も配置。ほぼビートレスであるがゆえに余計な圧迫感がないのもいい。虚空を漂っているような、ドリーミーな感触に満ちているのも特色で、聴き進むうちに夢と現実の境界が溶けていくような感覚に陥るだろう。
ちなみに、アルバム・タイトルの『Answers』という言葉に筆者は敏感に反応してしまった。日本の環境音楽や外国のアンビエントが再評価され、ボーズ・オブ・カナダの13年ぶりのアルバムが象徴するドリーミーでサイケデリックなサウンドに注目が集まる今、彼らはそのような状況に決定打となる〈回答〉あるいは〈返答〉を示したのではないだろうか。そう、本作はシーンに一石を投じるほどのポテンシャルを秘めている。ドリーミー・ポップの最先端をひた走る傑作といっていいだろう。
また、いっけん牧歌的で涼し気に思える旋律の裏には、ドープ極まりない音響の快楽が待ち受けている。アンビエントにも食傷気味だったり物足りなさを感じている人にこそ、本作を賞味して頂きたい。アルバムのリード曲でもある“Lichen Trip”のMVも必見だ。