こんにちは、TOWER DOORSスタッフです。

TOWER DOORSスタッフがアーティストを選出して猛プッシュする〈TOWER DOORS POWER PUSH!!!!〉。現在私たちが推しているのが、話題の音楽家・MON/KUです。

2018年の暮れに音楽活動を始めた彼は、2019年の1月にファースト・シングル“S I N K”をSoundCloudで発表。そのカテゴライズ不能な音楽は、早耳リスナーたちを驚かせました。

TOWER DOORSではメール・インタビュー〈6つの質問〉を行い、音楽活動のきっかけや影響を受けたアーティストなどについて語ってもらいました。それでも、MON/KUはまだまだ謎のヴェールに包まれていると感じます。

そんな彼について、より深く知るための〈TOWER DOORS POWER PUSH!!!!〉特別企画が〈MON/KU:私を作った55曲〉です。今回はMON/KUの作家性を紐解くため、彼の音楽的なルーツを掘り下げます。

というわけで、MON/KUが影響を受けた音楽をSpotifyプレイリストにまとめました。彼から挙げられたのは、なんと55もの楽曲!

そのなかでも、特に彼の根幹と言える5曲を選曲してもらい、その曲への想いを綴ってもらいました。

 

Goran Bregovic  “Ederlezi”

「ゴラン・ブレゴビッチという方の作品で、エミール・クストリッツァの『ジプシーのとき』という映画で使われていて知りました。ジプシーを取り入れたエキゾチックなメロディがクセになります。大好き。クストリッツァの映画で初めてジプシーブラスに触れたのですが、ジプシーはマジで血が滾りますね。同監督の『黒猫・白猫』という映画では〈The No Smoking Orchestra〉というブラスバンドの音楽が最高なので是非。高速ブラスに全身の細胞が燃えはじめます。映画の方も素晴らしいです」

 

フィッシュマンズ “ナイトクルージング”

「目眩がするほど大きく揺れる世界で、しゃがみこんで嘔吐く。23.28.33の周期でバラバラになっていく。上手く乗りこなせない。世界も、自分も。

この曲が息の仕方を教えてくれた。だれのせいでもなくてイカれちまった夜に、フィッシュマンズがいてくれてよかった。

UP & DOWN…SLOW FAST…」

 

テニスコーツとセカイ “てんぐ”

「クラクラするほど妖しくて厳しくて最高!! こういう超自然的な、ある種の恐ろしさみたいなものを曲に取り込めたらいいなと思う。

自身の“S I N K”という曲にこの曲の鳴り物に酷似したメロがあって、それくらい影響を受けてます。

ほら…すぐそこで黄泉の国がこちらを覗いているよ。ここはこの世とあの世の接地点。言うなれば恐山、黄泉比良坂、千と千尋に出てくるあのモルタル製のトンネル。時が見えるうちに急げ…てんぐ様が…迎えにくるぞ…!!」

 

Bibio “The Ephemeral Bluebell”

この曲が収録されている『Vignetting The Compost』は、フォークトロニカの名盤。インディーズ時代のbibioが一番好きです。

メインのギターアルペジオに多重録音されたリバースのフレーズが幾重にも重なり、よせては返し、美しく絡み合っていきます。よれたギターの音色、土や草や午後の光を感じるような牧歌的な音景が素晴らしい。僕がいつか最期を迎える時、走馬灯が見えるとして、BGMはこの曲でお願いね」

 

フジファブリック “銀河”

「フジファブリックにだけは客観的になれません。思い入れが強すぎて、フラットな聴き方ができない。志村の声だけが触れられる、虹色の琴線が僕の心の奥にはあります。ヴォイ泣きなんです。フジファブリックというバンドが、志村正彦というロックンローラーが僕の人生に与えた影響は計り知れません」

 

「選びだしたら止まらなくなってしまって、当初25曲の予定だったのですが大幅に超えてしまいました…。

一口に〈影響を受けた〉といっても影響の受け方は様々で、音楽性やサウンドデザインの面で直接的な影響を受けた曲、これまでの人生で何度となく僕を救ってくれた大切な曲など、色々あります。いろいろひっくるめて僕という人間に少なからず影響を与えたであろう曲達を選びました。

俯瞰的に自身のルーツを紐解いていくことによって、漠然と把握していた自身の音楽的な嗜好についての体系的な理解を深めることができたし、〈僕にとって音楽とは…〉というとこまで立ち返って色々考えられて良かったです。これからのクリエイティヴにも大いに活きてくるであろう貴重な経験でした。聴いてみてくれたら嬉しいです」

 

プレイリストには、ボサノヴァからシャンソン、ボーカロイド、ジャズ、クラッシックまで、ディープかつ幅広い楽曲がセレクトされいます。

〈一口に「響を受けた」といっても影響の受け方は様々〉とMON/KU自身が言っているように、作り手としての面や人生の面で影響を受けたものなど、一曲ごとにさまざまなエピソードがありそうです。彼の、はちきれんばかりの〈音楽への愛〉が垣間見えたプレイリストですね。

このプレイリストを聴いて、彼のコメントを読んでから彼のデビューEP『m.p』を聴くと、またちがった音が聴こえてくるはず。MON/KUの音楽をより深く楽しむために、ぜひ〈MON/KU:私を作った55曲〉をチェックしてください。

2019年も残すところ、あと数日。しかし、MON/KUの2019年はまだ終わりません。12月31日(火)に東京・下北沢440で開催される年越しライブに、MON/KUが出演します。親交が深い浦上想起と松木美定も出演するアツいイベントですので、関東のファンは観逃し厳禁です。

また2020年2月3日(月)には、MON/KU、Dos Monosの荘子it、honnninmanという最高なメンツによる3マンが、同じく440で行われます。どちらもお観逃しなく!

 


LIVE INFORMATION

Count Down Live 2020
2019年12月31日(火)~2020年1月1日(水)東京・下北沢 440
開場/開演:23:00/23:45
共演:uami/honninman/解体ザダン壊/浦上想起+松木美定/MON/KU+Kuu/神様クラブ/君島大空
前売り/当日:3,000円/3,500 円(いずれもドリンク代別)
チケット(e+):https://eplus.jp/sf/detail/3142930001-P0030001

下北沢レコードpresents 3man Live
2020年2月3日(月)東京・下北沢 440
開場/開演:19:00/19:30
共演: MON/KU/荘子it(Dos Monos)/ honninman
前売り/当日:3,000円/3,500 円(いずれもドリンク代別)
チケット(e+):https://eplus.jp/sf/detail/3180950001-P0030001